"花嫁が僕を犯人にした朝" 第6話
《もう分だ。携帯を渡しなさい》
圭介の父、浦隆之の声だった。
懲戒委員会で、僕は保管で見たことをすべて話した。奈緒がに座っていたこと、切られた裾のくにハサミがあったこと、式を止めてほしいと頼まれたこと。僕自が切る瞬を見たわけではないため、「奈緒が切った」とは断定せず、入にはすでに損傷していたと説した。
会社側は、なぜすぐ報告しなかったのかを繰り返し尋ねた。
「顧客の混乱を広げず、本に説するを与えようと考えました。しかし、損傷した商品と翌の婚礼運営に関わる以、司へ報告すべきでした。そこは判断を誤りました」
「過にも、顧客の事を理由に報告しなかったことがありますか」
の袖の件がに浮かんだ。僕は正直に話した。会社には僕の始末しか残っておらず、別の客の秘密をここで詳しくす必はないため、第者の為を自分の補正として処理した、とだけ説した。
事部は険しい顔をした。
「つまり、会社の記録を自分の判断で事実と違うものにしたことがある」
「はい」
崎は、過の件は今回の処分理由として事通されていないと異議を述べた。それでも、僕が秘密を守るという名目で会社の全管理を乱していた事実は消えない。
委員会は結論を週に通するとした。
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そのに、修復業者から詳細な作業報告が届いた。ドレスの腰裏は、ホテルから搬されるに糸が切られ、別の糸で粗く閉じられていた。業者が修復したのは裾だけで、封筒やは受け取っていない。
ホテル側の搬記録では、婚礼翌の午に装の宮と瀬がドレスを梱包し、に配送会社へ渡している。その、部のは入っていない。
宮は、腰裏には触れていないと答えた。瀬も同じだった。
だが、耶が崎へ連絡してきた。
「会社には言いました。でも、記録に入っていないことがあります」
婚礼が終わった夜、美智子がホテルへ戻り、ドレスから族のお守りを取りしたいと申したという。宮が応対し、装へ案内した。耶は残業で、美智子がドレスの腰付へを入れている姿を見た。
「どうして、そのに止めなかったんですか」
「宮さんが緒だったし、婦のお母さまです。お守りなら問題ないといました」
「会社は、その訪問を把握していますか」
「入館記録には残っています。でも宮さんは、ドレスへ触ったのは自分だけだと説したみたいです」
耶は証言することをためらった。宮は婚礼部の主任で、来度の契約更を決めるに関わっている。耶は無期雇用ではなく、ごとの契約社員だった。
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僕は彼女へ、無理に証言してほしいとは言わなかった。その言い方を聞いて、崎が眉をげた。
「また相の代わりに決めますか」
「脅したくないんです」
「証言したとしないの響を説し、本に選んでもらうことは脅しではありません。あなたが『守る』と決めて黙らせるのも、選択を奪うことがあります」
僕は耶へ言い直した。証言がなければ、美智子の訪問は封筒と結びつかず、僕の処分にも響する。方で、会社へ話したことで利益を受けたは、崎や労働局へ相談できる。決めるのは耶自だと伝えた。
、耶は署名した陳述を提した。
会社は宮へ再聴取した。宮は、美智子がく求めたためドレスを見せたが、封筒はらないと話した。美智子が腰裏をいたかどうかは見ていなかったという。
封筒を抜いた証拠にはならない。だが、僕が搬に抜き取ったという疑いはれた。
懲戒委員会の結論は、勤止と格だった。報告義務違反はいが、ドレスを損傷した証拠はなく、解雇までは相当でない。僕は主任補佐から般社員へ戻され、当面、顧客対応をれて倉庫管理へ配置された。
ホテルは僕がドレスを切ったという噂を公に訂正しなかった。顧客報を理由に、「調査」とだけ回答した。
僕は処分を受け入れる方、最初の自宅待期の賃と、事実に反する疑いを社内へ広げた対応について、労働組を通じて協議を申し入れた。