"花嫁が僕を犯人にした朝" 第3話
崎は、守秘義務のある職業だから黙っている、という僕のい込みも訂正した。ホテルの装担当者に、客から聞いたすべてを法に秘匿する義務があるわけではない。ただ、顧客報をむやみに漏らせば、就業規則や信頼の問題になる。
「沈黙はではありません。今は、さんの主張だけを事実として残す働きをしています」
面談、僕は奈緒へ度だけ返信した。
《僕が切ったという説を、あなた自で訂正してください。の正午まで待ちます。それがなければ、会社の調査に昨夜のことを話します》
既読はついたが、返事は来なかった。
翌の午分、見らぬ番号から話が入った。圭介だった。
「奈緒に連絡しましたね」
「事実と違う説を訂正してほしいと伝えました」
「妻は式の疲れで定です。これ以、個に接触しないでください」
「では、浦さんから、僕が切ったという話を撤回するよう伝えてください」
圭介は数秒黙った。
「あなたが何を吹き込んだのかりませんが、奈緒は結婚式を無事に終えました。今さら混乱させる理由はないでしょう」
「無事に終えたことと、僕がやったことにされるのは別です」
「ホテルとの話にしてください」
通話は切れた。
正午になっても、奈緒から連絡はなかった。
僕は崎へ話し、昨夜の来事を会社へ話すと伝えた。
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すると、その直に通のメールが届いた。
差は、奈緒ではなかった。
《奈緒さんの代理を名乗るに、あなたへ確認したいことがあります。彼女から預かった封筒を、まだけていませんね》
僕には、封筒を預かった記憶などなかった。
メールの送信者は、政士の堀真理と名乗った。奈緒とは学代からの友で、週にある相談を受けていたという。ただし正式な代理権はなく、詳しい内容は本の同なしに話せないと言った。
「封筒とは、何のことですか」
《奈緒さんは、ドレスの内側へ縫い込んだと話していました。あなたなら修復のに見つけるはずだと》
僕は昨夜の切断面をいした。裾を持ちげた、腰の裏に自然な縫い目があった。最終フィッティングのあとに誰かが縫いしたような、粗い返し縫いだった。
しかし、ドレスはホテルにある。僕はもう装へ入れない。
崎を通し、会社へドレスの現状保を求めた。ところが瀬から返ってきた回答は、すでに部の専業者へ修復を依頼し、午に搬したというものだった。
「修復するに、証拠として保全すべきでしょう」
崎が抗議すると、瀬は、婚礼に婦側から買い取り希望があり、く戻す必があったと説した。切断箇所の写真と、装が作成した損傷記録は残してあるという。
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僕は修復業者の名を尋ねたが、会社は取引報だとして答えなかった。崎は、僕個が業者を探して接触すれば問題になるため、正式な調査で確認させると言った。
の事聴取で、僕は初めて昨夜の全体を話した。
分、奈緒から僕の業務用携帯へ話があった。ドレスの裾に異常があるから、で来てほしいと言われた。保管へ入ると、奈緒がに座り、切られたドレスと裁ちばさみがあった。彼女は式を止めたいと話したが、理由は言わなかった。僕は切断面を確認し、朝までに自分で説するよう求めた。
「なぜ、その点で司へ報告しなかった」
事課が尋ねた。
「奈緒さんが自分で話すと約束したからです」
「顧客が商品を損傷した能性をりながら、隠したということですね」
「朝まで待ったことは、僕の判断ミスです。ただ、僕が切ったという説は事実ではありません」
会社側は通話履歴を確認した。分に奈緒の携帯から業務用端末へ着信があり、分秒話している。保管へ向かった理由は裏づけられた。
廊の映像には、僕が正面の扉から入る姿が映っていた。ただし奈緒は映っていない。裏の搬入へ続く通は、改装事のためカメラが台されていた。
「嫁本は、あなたへ話していないと言っています」
瀬が読みげた。
「携帯は支度へ置いたままで、誰かが使った能性がある。