"臨月の妻に親族30人分の法事料理を作らせていた母" 第3話
私は母子ともに命に別状はないことを伝えた。
そして由美が倒れた理由をに説した。
母が30分の料理を臨の由美に1で作らせていたこと。
私が渡したはずの仕し弁当の代が消えていること。
話の向こうで、おじさんが絶句する気配が伝わってきた。
「義姉さんがそんなことを……。いくらなんでも限度というものがあるだろう」
おじさんのい声にはらかなりが混じっていた。
私は元のさなノートを握りしめながら言った。
「おじさん、お願いがあります。の法事は予定通りいます」
私は言葉を区切ってから続けた。
「ですが、親族が全員集まった席で、私は母の嘘を全て話すつもりです。その、しだけ力を貸してくれませんか?」
おじさんは数秒の沈黙の、力く答えてくれた。
「わかった。おのう通りにやりなさい。俺も最の義姉さんのやり方には目に余るものがあったんだ」
おじさんというい方を得て、私は話を切った。
通話を終えて病に戻ると、由美がうっすらと目を覚ましていた。
点滴の管に繋がれた細い腕が布団のでわずかにいた。
「健さん……ごめんなさい」
カサカサに乾いた唇から最初にたのは、謝罪の言葉だった。
私は急いでベッドに駆け寄り、由美のを両で包み込んだ。
「謝るのは由美じゃない。
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どうして無理をしたんだ?僕に話してくれれば……」
由美はしそうに目を伏せた。
「お義母さんが言ったの。お義父さんの回忌を派にできない嫁は、このにいらないって」
由美の目から1粒の涙がこぼれ落ちた。
由美の髪からは、まだ台所の油の匂いがうっすらと漂っていた。
どれほどの、気のにち続けていたのだろうか。
由美は幼い頃に両親をくし、親戚のを転々として育った。
だからこそ族の事というものに倍の憧れと責任を持っていた。
「私がちゃんとしないと、健さんが親戚から笑われる。お腹の子供も祝福してもらえないかもしれないって……」
震える声でそう言う由美の言葉に、私は胸をナイフでえぐられるような痛みをじた。
母は由美のその優しさと族のを完全に利用したのだ。
私は由美の髪を撫でながら静かに言った。
「由美、もういい。もう分だ。君は何も悪くない」
私は自分自を責めていた。
私が母を庇い続けてきたことが、結果として由美をここまで追い詰めたのだ。
私がもっとく母との関係を断ち切っていれば、由美はこんな目に遭わずに済んだはずだった。
そもそも私が母の横暴に今まで耐えてきたのには理由があった。
2、病で息を引き取る直の父と交わした最の約束だ。
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『お母さんは器用で見栄っ張りなところがある。でもたった1の族だ。健、お母さんを見捨てないでやってくれ』
父の痩せ細ったが私のをく握りしめた触を、今でも覚えている。
私はその言葉を呪いのように抱え、母の度なる干渉に目をつぶってきた。
由美もまた、その父の言葉をっていた。
『健さんの事なお母さんだもの。私がうまくやるから丈夫よ』
由美はいつもそう言って、母の理尽な求を笑顔で受け流してくれていたのだ。
父との約束があるからと、決定な対を避けてきた私の甘さが今の事態を招いた。
母は族という言葉を盾にして、自分の欲望を満たしていただけだったのだ。
父が守りたかったのはこんな残酷な庭ではなかったはずだ。
由美がそうな声で私を見げた。
「健さん、の法事、どうするの……?」
私は静かに微笑んで答えた。
「配しなくていい。法事は予定通りやるよ。でも由美はここでゆっくり休んでいてくれ」
私が静かにそう言うと、由美はしだけしたように目を閉じた。
「あのね、蔵庫の奥にのためのお汁が入ってるの。それだけ使ってね」
識がのくでさえ、由美は族のことを気にかけていた。
由美の規則正しい寝息が聞こえ始めたのを確認し、私はちがった。
病の暗い照ので、私は先ほどの茶いノートをもう度いた。
由美が残したこの計簿は、の法事で母を追い詰めるための力な武器になる。