"27年目の再会" 第5話
直は、そのからしずつのを見る目が変わった。
今まで何気なく見ていたものが、違うを持って見えるようになった。
朝、いつも同じに起きる美子。
洗濯物を畳む。
庭のにをやる姿。
、当たりだとっていた景。
しかし。
その「当たり」のに、直がらなかったが隠れていた。
あるの午。
直は斎で古い資料を理していた。
会社を辞めた、必なくなった類を処分するためだった。
その。
冊のファイルが目に入った。
古い会社資料。
の商品企画。
直は何気なくいた。
そこには、自分が社として発表した宅シリーズの資料があった。
「族が自然につながる」
当、雑誌にも掲載された。
会社をきくしたきっかけになった商品だった。
直はそのページを見つめた。
そして、初めて気付いた。
企画の最に、さなメモが挟まっていた。
きだった。
字を見た瞬、分かった。
美子の字だった。
「は、むのを受け止める所」
その文。
直は何度も読み返した。
自分が会社の理として社員に話していた言葉。
自分の考えだとっていた言葉。
それは。
、妻がいたものだった。
その夜。
直は卓で聞いた。
「美子」
「何?」
「この宅シリーズ」
美子のがし止まった。
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「あなたが考えたの?」
「……」
直は答えなかった。
美子はさく笑った。
「今さらそんなこと気にするの?」
「気にする」
直の声は、自分でも驚くほどかった。
「俺はずっと、自分が作ったとっていた」
美子は箸を置いた。
「そうね」
「でも」
「あなたが作ったものでもあるわ」
直は顔をげた。
「どういうだ」
「あなたがいなければ、形にはならなかった」
美子は静かに言った。
「私は考えることができた」
「あなたは、それを実現する力があった」
「だからのものだとっていた」
その言葉を聞いて。
直は余計につらくなった。
美子はっていない。
責めてもいない。
だからこそ。
自分がどれだけ相を見ていなかったのかが分かる。
数。
直は娘の里奈と会った。
駅の喫茶。
里奈は父親を見るなり言った。
「顔が変わったね」
「そうか?」
「うん」
「のお父さんなら、きっとってた」
直は苦笑した。
「何に?」
「お母さんが自分に言わなかったこと」
直は黙った。
確かに。
しまでなら。
「なぜ俺に相談しなかった」
そう言っていたかもしれない。
でも今は違った。
「里奈」
「何?」
「お母さんは、ずっと悔していたのか」
里奈は考えた。
「違うとう」
「じゃあ」
「お母さんは、自分で選んだを否定してない」
「でも」
里奈は続けた。
「つだけ寂しかったんじゃないかな」
「何が」
「お父さんが、お母さんのことを“にいた”だとっていたこと」
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直は線を落とした。
その言葉が痛かった。
その帰り。
直は偶然、本のを通った。
入りに冊の雑誌が並んでいた。
特集記事。
「これからの宅と族」
表には、見覚えのある名があった。
美子。
直はわず内に入った。
記事を読む。
そこには、妻へのインタビューが載っていた。
「く庭にいた女性が、再び社会に戻るまで」
直は息を止めた。
記事ので、美子は言っていた。
「は、度失ったら終わりではありません」
「がかかったとしても、自分で選び直すことはできるといます」
直は雑誌を閉じた。
なぜ。
なぜ自分はらなかったのか。
答えは簡単だった。
らなかったのではない。
ろうとしなかったのだ。
その夜。
美子は机に向かっていた。
直が通りかかると、元に原稿が見えた。
「仕事か?」
美子はし驚いた。
「見たの?」
「いや」
直は首を振った。
「ただ」
「嬉しそうだったから」
美子はペンを置いた。
「昔もね」
「こうやっていていたの」
「夜に?」
「そう」
「あなたと娘が寝た」
直は何も言えなかった。
「でも」
美子は微笑んだ。
「嫌だったわけじゃないの」
「族も切だった」
「だから選んだの」
直は聞いた。
「じゃあ、なぜ今なんだ」
美子はし考えた。
「あなたが定したから」
「え?」
「あなたは、やっと自分のを見直すができたでしょう」
「だから私も」
「自分のをし見直してみようとった」
直は初めてった。
妻は自分に復讐しているのではない。