"靴磨きの少年と会長の時計" 第9話
「これで息子が報を流したと証できるのか」
「なくとも、副社専用ファイルが副社の端末から部へたことは証できます」
神は慎だった。
「本が操作していないと言い逃れる能性があります。岸に端末を使わせたと言うかもしれません」
「写真の捏造まで結びつける必がありますね」
蓮が言うと、鑑定担当者が頷いた。
会議で提示された写真は、コンプライアンス部の共サーバーに保されていた。しかし元データの提を求めた蓮の発言が議事録に残ったため、浩側もすぐには削除できなくなっている。
神は監査役2の同を取り付け、共サーバーと入退管理サーバーの保全命令をした。会社の顧問弁護士ではなく、部の鑑定会社が同に複製を作る。
調査をめるに、もう1つの証拠が見つかった。
健の腕計は、浩が懇にしている会員制計でベルトを交換されていた。注文者は副社秘。加代18万円は「会贈答品備費」の名目で、副社から支払われている。
計に残っていた作業記録には、通常のベルト交換には必のない指示が記載されていた。
『留め具内部に支部品を収納。部品は岸隆史が持参』
の担当者は、黒い部品を健康管理用センサーだと説されたという。
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作業台を映した内カメラには、岸が袋を渡す姿も残っていた。
「岸だけでなく、浩の秘と副社の支払いまでつながった」
健は報告を閉じた。
「それでも、あいつは秘と岸が勝にやったと言うだろう」
「なら、本しからないことでかします」
蓮は浩が会議でにした言葉をい返した。
『父は治療に専している。これ以、判断を誤らせるわけにはいかない』
会の健康問題を理由に、決定からそうとしていた。盗聴も蓮への濡れも、最の目は同じはずだ。
「副社は、いうちに会を辞めさせるつもりではありませんか」
部の空気が変わった。
真理子が会社の予定表を確認した。通常の取締役会は1かだが、浩は午から複数の社取締役と個別に面会している。議題は登録されていない。
その直、健のもとへ臨取締役会の招集通が届いた。
催は翌朝10。招集者は代表取締役副社・田浩。
議案は2つだった。
1つ目は、佐藤蓮による密報漏洩事件への対応。
そして2つ目には、こう記されていた。
『代表取締役会・田健の解職について』
第9話 父をろす
臨取締役会は、予定どおり午10に始まった。
都ホールディングスの会議には、取締役9と監査役2が集まっていた。
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座に座る健の向かいで、浩は分い資料をえている。
健が入院しているに、浩は5の取締役から賛同を得たと周囲へ話していた。議決権を持つ9のうち、自分を含めて過半数。計算、健の解職はすでに決まっている。
「最初の議案から説します」
浩はちがり、佐藤蓮による密報漏洩事件の資料を画面へ表示した。
夜の入館履歴、300万円の入、ロッカーから見つかったUSBメモリー、で密類を渡す写真。第4話の会議で使われたものと同じ証拠だった。
「会は、経歴確認も分にわず、このを会付臨補助員として社内へ入れました。その結果、な買収計画が部へ流しました」
社取締役の1が尋ねた。
「写真のデジタル鑑定は終わったのですか」
「現、調査です。しかし、は事聴取に所となっています。自ら逃げたという事実はい」
「逃げたのではない」
健が初めてをいた。
「おが関係する財団から施設へ圧力をかけ、帰る所を奪った。それを逃と呼ぶのか」
浩は驚いた顔を作った。
「財団の判断まで私の責任にされては困ります。犯罪の疑いがある物から子どもたちを守るのは当然でしょう」
「疑いを作った者が言うと、随分便利な理屈だな」
会議が静まった。
浩はすぐに笑みを戻し、次の資料へんだ。
「今の発言こそ、2つ目の議案が必な理由です」
画面に、健の健康診断記録が表示された。昨、な脈で入院したこと、医師から過労を避けるよう指導されたことが調されている。