"靴磨きの少年と会長の時計" 第7話
ここで誓約をけば、健の腕計に送信が入っていた事実まで、目当ての嘘として処理される。
蓮は楽町へ向かった。閉の靴磨き台なら、を避けられるとった。
架へ着いた、森本靴磨の照は消えていた。シャッターの脇に腰をろし、スマートフォンを確認する。健へ何度話をかけても、源が入っていないという案内が流れた。
真理子にもつながらない。
23を過ぎた頃、革靴の音が2つづいてきた。
通にしては歩調が揃いすぎている。蓮はスマートフォンの録音を始し、画面を伏せて着の内ポケットへ入れた。
男たちはのでを止めた。昼、本社の警備で見た顔だった。
「佐藤蓮だな」
「何の用ですか」
「会社の物を返してもらう。その靴箱を渡せ」
「に会社の物はありません」
「副社は、ごと回収しろと言っている」
男のが靴箱へ伸びた。蓮が体ごと抱え込むと、もう1が肩を壁へ押しつけた。
「しく渡せば、痛いいをしなくて済む」
「これは僕の物です」
「施設にも戻れないんだろう。そんな箱を守って、どうする」
蓮は答えず、腕に力を込めた。
男が腹を殴った。息が詰まり、膝が落ちた。それでも箱をさない蓮の頬へ、今度は拳が当たった。のに血のが広がる。
「やめろ。防犯カメラがある」
もう1がの向かいを見て言った。
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24営業のコンビニエンスストアの入に、こちらを向いたカメラがある。員もガラス越しに話をかけていた。
「今夜に考えを変えろ」
男たちは蓮を突き放し、通りのないへ消えた。
蓮はしばらくちがれなかった。怖くないわけではない。声も指先も震えていた。
それでも、靴箱は腕のに残っている。
箱の底には、送信の発見に撮った写真と、真理子が発した受領の写しが入っていた。脅迫状の写真、岸が箱を気にしていた刻をいたノートもある。
何より、今の会話はスマートフォンに残った。
『副社は、ごと回収しろと言っている』
蓮は録音を複製し、野寺と森本のメールアドレスへ送った。スマートフォンまで奪われても消せないようにするためだった。
くでパトカーのサイレンが聞こえた。男たちののナンバーを見ていたコンビニ員が、警察へ伝えてくれた。
その、別の音がづいてきた。
「蓮君」
顔をげると、真理子が息を切らしてっていた。
「藤井さん、どうして」
「施設へ話したら、君がたと聞いたの。森本さんならき先をっているかもしれないとって」
真理子は蓮の腫れた頬を見て、言葉を失った。すぐに救急を呼ぼうとしたが、蓮は先に録音を聞かせた。
「会に渡してください。
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僕がまた捕まっても、これだけは」
「自分で渡して」
真理子は鞄からい封筒を取りした。には世田の所と、翌朝7という刻がかれている。
「会は君を捨てていない。検査が終わって会社へ戻ってから、ずっと君を捜している」
「でも、会の話は」
「病院で預けさせられていたの。退院に返された端末も、連絡先がすべて消えていた」
真理子の声が震えた。
「会は、息子から君が正を認めて逃げたと聞かされていた。それでも信じなかった」
翌朝、治療を終えた蓮は指定された所を訪れた。
古い本のを真理子がける。庭に面した縁側には、田健が1で座っていた。
健は蓮の顔を見るとちがり、くをげた。
第7話 見捨てなかった
「私のせいで、ひどい目に遭わせた」
健がをげ続けるため、蓮の方が困ってしまった。
「会、顔をげてください。会が命じたことではありません」
「私が息子を信じようとしたが、連におを追い詰めるを与えた」
健は検査入院、浩から報告を受けていた。蓮が密報を盗んだ証拠が見つかり、追及すると自分から罪を認めて姿を消したという内容だった。
すぐに蓮へ連絡しようとしたが、病院の規則だと言われてスマートフォンを預けていた。退院に返された端末からは蓮と森本の連絡先が消え、秘へ話をかけても浩側の職員へ転送された。
「度は、あいつの話を信じかけた。