"靴磨きの少年と会長の時計" 第6話
「を判断する材料だ。に困っていた。頼れる族もいない。そこへ企業が300万円を提示した」
浩は席者を見回し、同するような調で続けた。
「会は善で君を拾いげた。君は、その善につけ込んだんじゃないのか」
「拾われていません。僕は仕事を頼まれ、仕事をしました」
「同じことだ。靴を磨いていたが、数には会へ自由に入りしていた。普通ならあり得ない」
「だから僕を犯にしやすかったんですね」
浩の眉がわずかにいた。
「どういうだ」
「僕には社内の方も、肩きもありません。元資料を画面にせば、証拠を調べるから皆が疑ってくれる。そう考えたがいるというです」
会議が静まった。
蓮は初めて浩を正面から見た。会ったと同じ穏やかな呼吸だったが、の親指だけが机ので何度も差し指をこすっている。
浩はく笑った。
「3度も預け先から戻されたが、今度は企業に潜り込んだ。どちらを信じるかと聞かれたら、世は写真と入記録を信じる」
「僕の過は、今ここにある証拠が本物かどうかとは関係ありません」
「世はそうわない。被害届がれば学にもられる。推薦は取り消され、名が公表されなくても噂は残る。君の将来は、ここで終わるかもしれない」
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浩の声から、表面を覆っていた丁寧さが消えていった。
「それが嫌なら、自分から辞めた方がいい」
「していないことは認めません」
「会にづいた目を認め、度と都グループに関わらないと誓約する。それなら、被害届の提は保留にしてもいい」
監査役が再び止めようとしたが、岸が「内部調査の提案です」と割って入った。
蓮はようやくちがった。
「原本を見せてください」
「何?」
「僕が写っているという写真の原本です。今ここで確認できないなら、データを保全してください。削除もきもしないよう、面で命令をしてください」
「君に命令される筋いはない」
「だったら、僕も誓約をく理由はありません」
浩の笑みが消えた。
岸が蓮の腕をつかみ、会議のへ連れした。廊には、どこから聞きつけたのか勢の社員がっていた。誰も声をかけず、蓮が通るとだけがいた。
エレベーターので、浩が追いついてきた。
「今の24まで待つ」
い声は、周囲に聞かせるためのものではなかった。
「消えると言えば、刑事告訴は止めてやる。父にも、おが自分から正を認めてったと説する」
「会には、僕から話します」
「話せるとうか」
浩は蓮の肩へを置き、元で囁いた。
「会社だけじゃない。おが帰る所も、私たちので成りっている」
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そのをったのは、施設へ戻っただった。
玄関には、野寺が青ざめた顔でっていた。には、都福祉財団から届いた1通のメールが握られている。
「蓮。今夜から、ここへ戻すことができない」
第6話 居所まで奪われた夜
都福祉財団は、施設の運営費の約3割に当たる1200万円を助成していた。
届いたメールには、犯罪為の疑いがある物を施設内に置き続けるなら、今度の助成を全面に見直すとかれていた。送信者は財団の事務局だが、そのには理事を務める田浩がいる。
「君を追いせとはいていない。だが、この助成が止まれば、職員を減らさなければならない。子どもたちの学費用もせなくなる」
野寺は何度も唇を噛み、をげた。
「、都と児童相談所へ相談する。それまで別の所を用させてほしい。君が悪いとっているわけじゃない」
蓮は玄関の向こうを見た。夕の匂いがして、の子どもたちの声が聞こえる。自分が残れば、その活まで質に取られる。
「分かりました。僕がます」
「待ちなさい。君1で決めることではない」
「18歳です。森本さんのところへきます。、必ず連絡します」
嘘だった。森本は腰の術で翌朝から入院する予定で、の2階もすでに引き払っている。蓮はさな旅鞄と靴箱を持ち、子どもたちに見つからないよう裏から施設をた。
き先はなかった。
それでも、浩へ連絡するつもりはなかった。