"靴磨きの少年と会長の時計" 第2話
健は架の向こうにそびえる本社ビルを見げた。先ほどまでの穏やかな表は消え、経営者の顔に戻っていた。
「あの計は20以使っている。だが先週、傷んだベルトを交換したと言って、あるが持ってきた」
蓮は黙って次の言葉を待った。
健は初めて迷いを見せ、それから静かに言った。
「私の息子だ」
第2話 会に入った靴磨き
翌朝、黒いセダンが森本靴磨のに止まった。
からりてきたのは、都ホールディングス会秘の藤井真理子だった。48歳の真理子は分証を見せ、内にいた森本へくをげた。
「昨お預かりいただいたものを、会の指示で回収に参りました。部の専関へ鑑定にします」
森本はすぐには缶を渡さなかった。
「受領をもらえますか。誰に、いつ渡したか残しておきたいので」
真理子は驚いた、丁寧に面を作成した。蓮も缶の状態をスマートフォンで撮し、部品を見つけた経緯をいて署名した。
「会から、佐藤さんも緒に来てほしいと伺っています」
「僕もですか」
「無理にとは申しません。ただ、昨の音について直接説してほしいそうです」
休みとはいえ、突然企業の本社へくことになるとはっていなかった。蓮が森本を見ると、老はをかしたまま答えた。
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「ってこい。ただし、見たものと聞いたものを混ぜるな。分からないことは、分からないと言え」
それは森本が仕事を教える、何度もにしてきた言葉だった。
都ホールディングス本社は丸の内にあった。吹き抜けのロビーには磨きげられた材が使われ、蓮のスニーカーが違いな音をてた。
受付を通過しようとした、警備の岸隆史がづいてきた。
「藤井さん、そのは?」
「会のお客様です」
「お客様?」
岸は蓮が抱えている古い靴箱を見て、骨に眉をひそめた。
「本社は職業体験の会ではありません。荷物も検査させてください」
「会から、佐藤さんの持ち物には触れないよう指示がています」
「警備の規則です」
岸が靴箱へを伸ばした瞬、真理子がその腕を遮った。
「規則の最終承認者は会です。異議があるなら、会で直接おっしゃってください」
岸はを引いたが、蓮を見る目には敵が残っていた。
会には、健と初老の技術者が待っていた。技術者は会社と利害関係のない子器鑑定で、缶から取りした黒い部品を型の測定器に載せた。
「音声を拾ってデータを送る送信です。なら内蔵池できます。通信規格は般向けではありません」
健が尋ねた。
「どこへ送っていたか分かるか」
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「受信側の記録を追わなければ断定できません。ただ、部品には製造番号が残っています。調査には数ください」
鑑定が退すると、健は蓮に向き直った。
「昨の礼をしたい。で済ませるのが嫌なら、望みを言いなさい」
「お礼はりません。靴磨きの代はいただきました」
「命に関わるかもしれないことを教えた対価が、靴磨きの1200円だけでいいのか」
「余計なおをもらったら、次に会の靴を磨く、普通のお客さんだとえなくなります」
健はしばらく蓮を見つめ、声をてて笑った。
その、会のドアがいた。
入ってきた男は田浩、46歳。都ホールディングス副社であり、健の息子だった。よく仕てられたスーツを着て、蓮にも柔らかな笑顔を向けた。
「父さん、急に会議を止めたと聞きましたが、何かありましたか」
「ノックくらいしろ」
「失礼しました。こちらは?」
「佐藤蓮君だ。昨、私の計の異常を見つけてくれた」
浩の線が、机のの透な証拠袋へ移った。袋のには、黒い送信が入っている。
「それが例の部品ですか。まさか、本当にそんなものが」
言葉には驚きがあったが、呼吸は乱れていなかった。蓮には、それがかえって自然にじられた。普通なら、父親が盗聴されていたとれば、もっと質問するはずだ。
「警察には?」
「送り先を特定してからだ」
「賢ですね。社内に余計な揺を広げない方がいい」
浩はそう言うと、蓮へ名刺を差しした。
「父を助けてくれてありがとう。