"「中卒は留守番してろ」と空港に置き去りにされた私――数時間後、高級旅館の女将が上司だけを追い返した" 第3話
し話がある。
第3話 発夜2317分
研修の1週、航空券、空港からの送迎、察程の配がすべて完した。
往は羽田から松へ向かう午便で、企画部員10の団体予約になっている。航空会社からの変更通は、配担当者である本の共メールへ届く設定だった。
澪は篠原と緒に、参加者名簿と予約番号を1ずつ照した。
「野澪、入ってる。これで10全員ね」
「送迎にも変更の到着刻を伝えてあります。あとはに最終確認するだけです」
「澪、楽しみにしてるよ。仕事だって分かってるけど、祥館なんて次にいつけるか分からないから」
「私も、皆さんに見てもらいたかったんです」
澪の表がわずかにらいだ。
祥館をれてから、客として戻ったことは度もない。母と仕事の話をするのも久しぶりだった。今回の企画が成功すれば、自分が旅館で過ごした7も、会社に入ってから耐えてきたも、無駄ではなかったとえる気がした。
発の夕方、本が最終版の予約覧を持ってきた。
「10分、発券状態まで確認しました。団体カウンターにも連絡済みです」
「ありがとうございます。変更が入ったは、私にも連絡をお願いします」
「もちろんです。もう触るところはありませんから、してください」
本はるく答えたが、澪と目がうと、なぜかすぐに線をそらした。
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内から呼びされた夜、本は会議でこう命じられていた。
「発直に、野の席だけ取れていなかったことにしろ」
そのは冗談だとおうとした。しかし、内の目は笑っていなかった。
「そんなことをしたら、察自体が止になるかもしれません。承諾にも、野さんの同が条件だとかれています」
「現へけば、部の俺が話をつける。あいつがいなければ、企画の責任者も俺だ」
「でも、故に航空券を消すのは……」
「お、来期の主任推薦が欲しいと言っていたな」
内は、本の事評価を担当していた。逆らえば推薦を取り消されるだけでは済まない。過のさな配ミスを、な事故として報告される能性もあった。
それでも本が答えずにいると、内はたく言い放った。
「俺の指示に従えない部を、企画部に置いておく理由はない」
発夜の23過ぎ、帰宅していた本の社用携帯が鳴った。表示された名は内だった。
本はすぐには応答しなかった。
以、内の指示どおりに予約を変更した結果、本だけが始末をかされたことがある。同じことになる。そうじた本は、通話を受けるに録音アプリを起した。
「準備はできているか」
話にると、挨拶もなく内が尋ねた。
「本当に、やるんですか」
「野の航空券だけ取り消せ。
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の朝になったら、発券の操作ミスだったと説しろ」
「野さんには、変更通が届くかもしれません」
「団体予約の通はおのところにしか来ない。余計な配をするな。終わったら、画面を閉じて寝ろ」
「もし調査されたら、僕の操作履歴が残ります」
「だから操作ミスで通せと言っている。俺の名をしたら、おの評価は最にする。分かったな」
通話が切れたあとも、本はしばらくけなかった。
録音データを保し、会社の法予約システムをく。画面には、翌朝の便に搭乗する10の名が並んでいた。
野澪。
その名の横にある「取消」のボタンへカーソルをわせる。ここでやめればいい。澪か事部へ連絡すればいい。それでも、内に逆らったあとの自分を考えると、指がかなかった。
2317分、本は取消ボタンを押した。
払い戻し処理が完し、操作番号と刻が表示される。本は反射にその画面を保した。
予約覧の数が、10から9に変わった。
第4話 空港に残された幹事
発当の朝、羽田空港の団体カウンターには、企画部の社員たちが集していた。
「野さん、昨は眠れた?」
篠原に尋ねられ、澪はさく笑った。
「確認事項を見直していたら、し遅くなりました」
「幹事が倒れたらがないでしょう。今は移くらい休んでね」
周囲からもるい声がんだ。誰もが祥館への察を楽しみにしている。