"夫の赴任先にいた「妻」" 第2話
と照れくさそうに笑い、仕事とは違う柔らかな表を見せた。
「勇気をして誘ってよかった」
そんな言葉に胸が鳴ったのを、私は今でも覚えている。
交際が始まってからも、隼は優しかった。忙しい私に予定をわせ、毎の連絡を欠かさず、私が仕事を続けたいと言えば「もちろん。結婚してもお互いのは事にしよう」と言ってくれた。
1、私たちは結婚した。
共働きだったため事は分担した。私が残業のには隼が夕を作り、彼の帰宅が遅ければ私が洗濯を済ませる。完璧ではなかったが、なくとも当の私は対等な夫婦になれたとっていた。
義両親との関係にも恵まれていた。
隼の実は私たちのマンションからで15分ほどの所にあり、に2、3回は顔をしていた。義母の恵子さんは私を実の娘のようにかわいがり、くたびに煮物や炊き込みご飯を持たせてくれた。
「美玲さん、仕事から帰って毎ご飯を作るのは変でしょう。困ったはいつでも頼ってね」
「いつもありがとうございます。お母さんの肉じゃが、本当に好きなんです」
私がそう言うと、恵子さんは嬉しそうに笑った。
義父の正隆さんは無なだったが、当は私に対して目って厳しい態度を取ることもなかった。私はこの族の員になれたことをから幸運だとい、これから先も義両親を切にしていきたいと考えていた。
広告
その常が変わったのは、結婚2目のだった。
仕事、隼から突然話が入った。
「美玲、ごめん。今、話せる?」
普段とはらかに違う声だった。
「どうしたの?」
「母さんが倒れた」
買い物、義母は突然識を失い、救急搬送されたという。私は司へ事を説して会社をて、タクシーで病院へ向かった。
到着すると、待には顔を真っ青にした隼と正隆さんがいた。正隆さんは腕を組んだままを見つめ、隼も何度もったり座ったりを繰り返している。
検査の結果、義母は脳血を起こしていた。
幸い命は助かった。
しかし識が戻った、半に麻痺が残った。
「みんなに迷惑かけちゃったね」
初めて面会した、恵子さんは々しく笑った。
「絶対にまた歩けるようになるから。配しないで」
配されるなのに、こちらへ気を遣う。
その姿がたまらなくしかった。
恵子さんは入院、驚くほど真面目にリハビリへ取り組んだ。最初はちがるだけでも変だったが、数かには杖と介助があればい距を歩けるようになった。
ただ、にはい麻痺が残った。
細かい作が難しく、着替えや事、入浴、排泄など、常活のいくつかに助けが必だった。認定された介護度は2だった。
退院が見えてきた頃、私は当然のように介護サービスについて調べ始めた。
広告
ところが、それを隼に話しただった。
彼はいがけないことを言った。
「できれば美玲に、母さんの介護をお願いしたいんだ」
私は最初、休に伝ってほしいというだとった。
しかし違った。
隼が望んでいたのは、私が仕事を辞め、義実へ同居し、義母の介護と事を引き受けることだった。
「仕事を辞めるって、本気で言ってるの?」
私は自宅のダイニングで、向かいに座る隼を見つめた。
彼は悪いことを提案しているという自覚さえないようだった。むしろ族のために最善策を考えたという顔で、「俺の料だけでも活はできるから」と説した。
「父さんもで介護するのは難しいし、母さんだってらないヘルパーさんに世話されるより、族の方がするだろ」
「だからって、どうして私が仕事を辞めるの?」
「女性同士の方が母さんも気楽だとう」
私はわず隼の顔を見返した。
義母の介護を助けたくないわけではない。週末や仕事帰りにできる範囲で協力するつもりだったし、必なら通院の付き添いもできる。
しかし、退職する話は全く別だった。
私は学卒業から今の業界で働き続け、ようやく自分で企画を任されるになっていた。結婚にも、仕事だけは続けたいと隼へはっきり伝えている。
「デイサービスや訪問介護を使えばいいじゃない。