"消えた神童、10年後の手紙" 第7話
は老のを訪ねた。
娘が父の、へ戻って暮らしていた。
事を話すと、娘は押し入れから量の学ノートを取りした。
「父、農作業の誌をずっとつけとったんです。捨てられんで、そのままあります」
ごとに紐で束ねられていた。
は平成13のノートをいた。
10のページ。
細い鉛の字で、毎2、3ずつかれていた。
1013。
れ。
稲仕事終い。
夜11頃、の造成にかり。
1台ていく。
はい、その数を見つめた。
10から記録はしていた。
自分も老から同じ話を聞いていた。
それでも「とは方向が逆だ」という理由だけで回しにした。
もし当、を掘っていたら。
はノートを閉じ、老の仏壇へをわせた。
剛の遺体のからは、もう1つなものが発見されていた。
何にもビニールで包まれた黒い帳だった。
ので10を過ごしていたにもかかわらず、はかなり読める状態だった。
字は剛のものだった。
細かく、几帳面な字。
最初の付は平成118だった。
そこにかれていたのは、庭のことではなかった。
勤務先の。
プレス。
そして、2に起きた事故についてだった。
平成118。
剛が勤める部品では、納期に追われていた。
帳によると、プレスの段取りをくするため、全カバーをした状態で作業をうことがあった。
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カバーをつけたままではがかかる。
現では「今だけ」「急ぎだから」という言葉がなっていた。
その、36歳の作業員が腕をプレスへ挟まれた。
名はカルロス。
ブラジルから来た系だった。
当、このには同じようにから働きに来たが20ほどいた。
カルロスは搬送先で、翌にくなった。
しかし会社は、その事故を正式な労働災害として処理しなかった。
で起きた事故のように報告がき換えられた。
遺族には見だけが渡され、妻と子供は1かほどにブラジルへ帰国した。
類の変更を指示したのは、会社の専務だった藤堂。
だが剛の帳には、それだけではないことがかれていた。
「あの晩、カバーをしたままでええと言うたのは、班のわしや」
「今だけやと言うた」
「わしが言うた」
剛は同じことを何度もいていた。
誰かに見せるためではない。
自分自が忘れないためのようだった。
事故の責任を会社だけに押しつけることができず、2苦しみ続けていた。
カルロスには、当10歳になる息子がいた。
レオ。
桂サッカースポーツ団に所属していた。
陸と同学だった。
2は特に仲が良かった。
練習の、ふざけてスパイクを片方ずつ交換したままへ帰り、それぞれ母親に叱られたこともあった。
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気の野は、その話をしながら何度も鏡をして拭いた。
「レオは、お父さんがくなってすぐブラジルへ帰りました」
その、野はしばらく黙った。
「お別れの、陸が泣いてね。あの子、ではあんまり泣かん子やったけど」
帳の最の付は、平成131010だった。
「陸の自転が潰されとった」
「話。息子さん、川敷でようサッカーしとるね」
「もう待てん。警察へく」
「そのに陸をす」
は最のでを止めた。
1010は、陸の青い自転が壊されただった。
町では子供のいたずらだとわれていた。
しかし剛は、脅しだと受け取っていた。
事故の真相をらかにしようとしていた剛へ、誰かが圧力をかけていた能性がある。
そして剛は、息子を巻き込まないために町のへそうとしていた。
捜査の焦点はへ移った。
専務の藤堂は物だった。
事故を隠すよう指示した。
だがが気になったのは、帳のにさらにく登する別の名だった。
浦誠。
事故当、現で全カバーをすよう作業員たちへ指示していた責任者の1。
事故、報告をき換える作業にも関わっていた。
そして剛のの親友。
帳には、剛と浦が何度も事故のことで話しっていた記録が残されていた。
浦には事もあった。
妻は当から透析を受けていた。
定期に内の病院へ通い、治療費も活費も必だった。