"消えた妻と13本のテープ" 第4話
しかし文字のがりの癖や、句読点の打ち方は同じだった。
所を図で確認すると、13枚すべてがしなかった。町名までは正しいのに番がなく、別のには実する番へしない建物名が加えられていた。
さらに奇妙なのは、200910を最にはがきが途絶えていることだった。
由佳は過の放送記録を調べた。毎104、はがきにかれた曲が紹介されている。そのうち何度かは、番組の録音テープも残っていた。
番組を再すると、司会者が異なる名を読みげた、同じ曲を流していた。
《切なへ。帰る所はまだあります》
はがきに記されたい文も、毎しずつ違っていた。
《今も待っています》
《あののことを忘れていません》
《言えなかったことがあります》
《あなたを1で帰してはいけなかった》
最の2009には、こうかれていた。
《く待たせてごめんなさい。私には、もうがありません》
由佳は先輩の放送作へ相談し、警察へらせることにした。
当初、警察は同じ曲を毎リクエストするな聴者だろうと考えた。しかし送り主の名がすべて違い、所がしないとると、刑事の表が変わった。
跡から、同物がいた能性がいことも確認された。
担当刑事が付の「104」を期方者の記録と照すると、1997104に失踪した松本千鶴の名が浮かびがった。
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誰かが千鶴の消えたを記憶し、13、毎同じにラジオを通じて呼びかけていた。
警察はラジオ局へ届いたはがきの消印を調べた。すべて川井の自宅からい郵便局で投函されている。
捜査員が川井のんでいた域へ確認をめる、役職員が、彼の遺品に13本のカセットテープがあったことをいした。
ケースのは1997から2009。はがきが送られた期と完全に致していた。
警察は役からカセットテープを引き取った。
2010当、カセットプレーヤーはすでに常活から姿を消しつつあった。警察署にも正常にく械は残されておらず、捜査員は町の古から古い再を借りた。
13本のテープが、会議の机へ順に並べられた。
最初に選ばれたのは、「1997」とかれたテープだった。
捜査員が再ボタンを押すと、械のでさな歯が回り始めた。数秒の無音の、古いラジオ番組の音声が流れた。
司会者がはがきを読み、例の謡曲を紹介する。曲が終わると、しばらく雑音だけが続いた。
録音はそこで終わるとわれた。
しかし、放送が途切れた、別の音が入っていた。
息を吸い込む音。
続いて、くかすれた男の声が聞こえた。
《また、このが来た》
い沈黙。
《千鶴、ごめん。私は、あの夜のことをっている》
会議にいた捜査員たちは、誰もかなかった。
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男の声は続いた。
《おの夫が、でおを待っていたことを、私はっていたんだ》
そこで音声は切れた。
13止まっていた事件が、わずか20秒ほどの録音によって、再びき始めた。
警察は残りのカセットテープを、古い順に再していった。
どのテープも、基本な構成は同じだった。川井がラジオ番組を録音し、リクエスト曲が終わった、自分の声をく吹き込んでいる。
1998。
《おがいなくなって1が過ぎた。私は、まだ何も話していない》
1999。
《警察が来るたび、あのをいした。だが私は、見ていないと答えた》
2000。
《おの娘が学へ通う姿を見た。母親によく似ていた》
によっては、言葉が10秒にも満たないものもあった。酒に酔っているようなもあれば、い沈黙だけで終わるもある。
しかし、すべての最に同じ言葉が残されていた。
《ごめん、千鶴》
2004のテープでは、川井の声はそれまでより瞭だった。
《あの、私は止めるべきだった。おを1で帰すべきではなかった》
2006。
《武夫が町にいたことを私はっていた。喫茶の向かいので、おがてくるのを待っていた》
2007。
《おは震えていた。へ戻ってはいけないと、私が言うべきだった》
最の2009、川井の声はひどくっていた。
《これが最になりそうだ。く待たせてごめん》
咳き込む音の、彼は途切れ途切れに続けた。
《あの夜、町で会った、私が引き止めていれば、おがあの男のところへ戻ることはなかった》