"12年前も、彼が犯人だった" 第9話
「俺も、同じでした」
直が言うと、理恵が顔をげた。
「何がですか?」
「会社が誰か1のせいにしようとした、黙っていた。宮本部ほど直接ではない。でも、12に俺も何も言わなかった」
理恵は易に慰めなかった。しばらく考えた、静かに言った。
「では、今やるしかないんじゃないですか」
そのとおりだった。
会社は警察へ事を説し、清掃会社へ正式に謝罪した。佐々へは、勤止期の賃補償をうことになった。
さらに部の専を入れ、12の事故処理と労務管理についても再調査することが決まった。
宮本は退職願を提した。しかし川は、すぐには受理しなかった。
「辞めれば終わるとっていますか?」
宮本が顔をげた。
「12、私たちは佐々さんを辞めさせて終わりにしました。今度は、やるべきことをしてから責任を取ってください」
宮本は反論できなかった。
佐々への正式な謝罪は、清掃会社の会議でわれた。
フーズからは川、宮本、直が席した。清掃会社の担当者も同席し、佐々はテーブルの反対側へ1で座った。
最初に川がをげた。
分な確認をしないまま盗難の疑いを伝え、清掃会社でのを悪化させたこと。本の同なくロッカーを確認したこと。会社として適切な調査をしなかったこと。
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補償内容を説した、宮本が自分ので話し始めた。
森川から受け取った3万円を佐々のロッカーへ入れ、盗難の証拠に見せかけたこと。そして12、会社の管理責任を隠すため、事故の責任を佐々へ集させたこと。
佐々は、宮本の顔を度も見ずに聞いていた。
宮本がくをげた。
「本当に申し訳ありませんでした」
佐々はすぐには答えなかった。やがて、静かな声で尋ねた。
「12のことを謝っているんですか。それとも今回のことですか?」
「両方です」
「便利ですね。12黙っていて、まとめて謝れば済むんですか」
宮本の肩が震えた。
「12に言ってほしかったです。私の娘は当、学でした」
佐々が事故を起こしたことは、域や学関係者にもられた。娘は友から「をはねた父親の子」と言われ、へ帰るたびに泣いた。
妻は佐々を責め、佐々は会社を責めることもできず、酒をむようになった。夫婦喧嘩が増え、庭はしずつ壊れていった。
「私もを受け取り、黙ることを選びました。自分に責任がないとは言いません」
佐々は自分の過ちも隠さなかった。
「それでも、会社にも問題があったと誰か1でも言ってくれていたら、はし違ったかもしれない。そう考えることはあります」
宮本の目から涙がこぼれた。直が、尊敬してきた司の涙を見るのは初めてだった。
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「それから、ロッカーの3万円は、娘へ渡す祝いでした」
宮本が顔をげた。
「12の事故でれていった娘です。ようやく結婚すると聞いて、しずつ貯めていました。それまで、盗んだにされた」
「申し訳ありません」
「謝罪は聞きました。でも、許せるかどうかは今決めません」
佐々は最まで、「許します」とは言わなかった。
直には、それでいいとえた。傷つけた側が謝罪したからといって、傷つけられた側に許す義務がまれるわけではない。
翌、佐々はフーズの清掃現へ戻ることを希望した。
清掃会社からは別の現も提案されたが、本が断った。
「今度は、普通に働いて、普通に帰りたいんです」
復帰初、最も気まずそうにしていたのは岸本だった。佐々が清掃具を準備しているところへづき、何度も言葉を探していた。
「佐々さん」
「はい」
「すみませんでした。俺、最初から佐々さんが犯だと決めつけていました」
佐々は岸本を見つめた。
「そうですね」
岸本の顔がさらにくなった。
しばらくして、佐々はわずかに表を緩めた。
「次は気をつけてください」
それだけだった。
岸本はくをげた。
佐々が娘の結婚祝いとして貯めていた3万円も、会社から返却された。、佐々は元妻を通じて娘へ渡した。
結婚式には呼ばれなかった。
それでも数、娘からいメッセージが届いた。
《ありがとう。受け取りました》