"親孝行214点の姉が降りた日" 第2話
隆弘が母へ線を向けた。
「母さん、こんなの認めたのか?」
正子は法の疲れもあってか、先ほどから座子にもたれて子供たちの言い争いを眺めていた。全員の線が集まるとし困ったように笑い、「恵子がやってみたいなら、しばらくやらせてもいいんじゃない?」と答えた。
「母さんまで何言ってるんだよ」
「だって、恵子にばっかり頼んでるのは本当だから。あんたたちにも、それはし分かってほしいの」
その言葉を聞いた恵子は、勝ち誇るというより、ようやく誰かに認められたような表をした。悠には、その顔がかえって腹たしく見えた。自分に庭も仕事もあることを無し、実にんでいる姉と同じ回数通えと言われている気がしたのである。
「俺、こんなの参加しないから」
悠が言うと、恵子は元の赤いペンをかした。
「族会議への協力拒否。マイナス2点」
隆弘はわず吹きしたが、佳奈は笑わなかった。
「恵子さん」
「何?」
「これ、介護の負担を分ける仕組みというより、点数でを言うことを聞かせる仕組みになっていませんか?」
恵子の顔からわずかに笑みが消えた。「実際に何もしていないから言われたくない」と返され、佳奈もをきかけたが、悠は妻の腕にそっと触れて止めた。父の回忌のに、これ以族で鳴りう気にはなれなかった。
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帰りののでも、佳奈はしばらく黙っていた。部座席では学5の航と学2の美緒が眠っており、内にはナビの案内音だけが流れていた。信号で止まった、悠が「何考えてる?」と尋ねると、佳奈は窓のを見たまま答えた。
「お姉さん、やってることは変だとう」
「だろ?」
「でも、186点になるほど何かしてきたのは本当なんだよね」
悠は、すぐには答えられなかった。
そこだけが、をてからもずっと胸に引っかかっていた。
親孝ポイントは、族の誰も本気で続きするとはっていなかった。しかし恵子は翌週から本当に運用を始め、毎週曜の夜になると族のグループLINEへ最の集計表を送るようになった。通院の付き添いだけでなく、薬局へ薬を取りにった、庭の雑を抜いた、米を買った、球を替えたといった細かな用事まで記録されていた。
悠は最初の2週、になって実へかなかった。点数のために顔をせば姉のうつぼだとじたし、親孝というものは誰かに採点されてするものではないと自分に言い聞かせていた。方で、表が送られてくるたびに自分の名の横の数字だけは無識に確認してしまい、そのことにも腹がった。
3週目の曜、正子から話が来た。
『悠、の午、病院に付きってくれない?』
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いつもの血圧の薬をもらうだけだという。しかし翌は、息子の航が所属するサッカーチームの試があり、初めて先発としてする予定だった。悠は数週から「絶対見にく」と約束していたため、正子へ事を説して兄に頼めないか尋ねた。
『隆弘はゴルフだって』
その返事にし腹がったが、それでも息子との約束を破る気にはなれなかった。「タクシーでけない?」と聞くと、正子はしを置いた、『分かった』とだけ答えた。その声が寂しそうに聞こえたことが気になったものの、翌朝、航が緊張した顔でユニフォームを着ているのを見ると、やはりこちらを優先してよかったとった。
試は1対1の引き分けだった。航は得点こそ来なかったが最までり切り、帰宅も「あのパス見た?」と興奮していた。ところがそのの夜、恵子から送られてきた表には、《悠 通院同依頼を拒否 -2点》と記載されていた。
悠は腹をて、《子供の試だったんだけど》と返信した。数分もしないうちに、《理由は何でも、頼まれて断った事実は同じ》と返ってくる。佳奈は隣から画面を見て、「返事しない方がいいよ。恵子さん、反応されるほどになるとう」と言った。
しかし本格な衝突は、その翌に起きた。
正子が町内会の泊旅へ参加することになったの夜、恵子から佳奈へ直接話がかかってきた。
旅の準備をした母を晩にするのが配だが、自分はパート先の夜勤があり、隆弘のも都が悪いので泊まりに来てもらえないかという依頼だった。