みかん小説
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"2本のさつま芋" 第10話

それは正夫ので、1つの物差しになった。

かれた言葉だけを見るな。

その向こうにいるを見る。

決まりを守ることは切だ。

けれど、決まりを守らせた結果、誰がどこで泣くのかまで考える。

正しさを振りかざすに、そのがなぜそこへ追い込まれたのかを見る。

母が伝えたかったのは、きっとそういうことだった。

法律には、社会を支える力がある。

に、法律だけではすくい取れない暮らしもある。

その隙を見ないふりをした、正しさは簡単にたくなる。

24

14歳だった正夫は、そのことを2本のさつま芋から学んだ。

そしてになったも、類を閉じるたびにした。

法律の向こう側にも、の暮らしがある。

それを忘れた

正しさはに、

誰かを傷つけるものになる。

正夫はそのも、仕事ので何度も「規則だから」という言葉に会った。

もちろん、その言葉そのものが違っているわけではなかった。規則がなければ、担当する職員によって判断が変わり、同じ事を抱えたでも受けられる支援が違ってしまう。公平であるためにこそ、基準は必だった。

だから正夫は、規則を嫌うことはなかった。

むしろ、規則があるからこそ守られるがいることもっていた。

ただ、1つだけ気をつけるようになった。

「規則ですから」

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という言葉をにした瞬、自分の仕事まで終わったとわないことだった。

対象にならない。

条件が1つりない。

期限を過ぎている。

類がそろっていない。

政の窓では、そうした理由でち止まるがいる。

正夫はそんな、必ず度だけ顔をげた。

目のにいる相が、どんな表をしているのかを見るためだった。

類にはかれていないことがある。

の夕飯をべられたのか。

子どもにはべさせたのか。

今夜帰るに、何が残っているのか。

もちろん、それだけで判断を変えることはできない。

しかし、らないまま「仕方ありません」と言うのと、ったの方法を探すのとでは、まったく違う。

正夫はそう考えるようになっていた。

々、あの野先のこともした。

「決まりを守っているが、いつも正しいとは限らない」

14歳の正夫は、その言葉を聞いて混乱した。

なのだから、どちらが正しいのか教えてくれればいいのにとった。

母が悪かったのか。

自分が正しかったのか。

どちらかをはっきり言ってほしかった。

しかし今なら、野先が答えなかった理由もし分かる気がした。

あの、先も迷っていたのかもしれない。

教師としては、取引はいけないと教えなければならない。

けれど実際に正夫のへ来て、空っぽの戸棚と腹を空かせた子どもたちを見た。

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で話す「正しさ」と、目のの暮らしが、きれいにならないことに気づいたのだろう。

だから野先は、正夫を褒めなかった。

に、責めることもしなかった。

ただ芋を置いて帰った。

あのの正夫には、そのが分からなかった。

えば、先は言葉では答えられないものを、あのさな包みで示していたのかもしれない。

規則について話すことと、今夜べるものを渡すこと。

その両方が必だった。

どちらか方だけではりなかった。

正夫がねるほど、母の言葉も違って聞こえるようになった。

「決まりを作るは、お腹が空いていないこともあるんだよ」

若い頃は、決まりを作るを責める言葉だとっていた。

けれどになって、それだけではないとうようになった。

腹が空いていないには、空腹の苦しさが見えにくい。

かい部にいるには、寒い部で夜を越すのことが分かりにくい。

困っていないには、困っているがなぜ決まりかられてしまうのか像しにくい。

だからこそ、像しなければならない。

自分には見えていない事があるかもしれないと、度考えてみる。

母が伝えたかったのは、そんなことだったのではないか。

正夫はそううようになった。

そして、自分自もまた「お腹が空いていない側」

つことがあると気づいた。

定した仕事を持ち、毎料を受け取り、決まった所で類を確認する。

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