"病院へ行かない黒い車" 第3話
「分かりました。ですが、こので病院へお送りすることはできません。会社へ記録が残ります」
「では、町へ戻れる所まで送ってください」
「しったところなら、タクシー会社の波が入ります。そこから別のを呼びましょう」
私はようやく息をついた。しかしするにはかった。病院へ着くまでに、子へられれば計画を変えられる能性がある。
運転は依頼を私へ渡すことをためらったが、私はスマートフォンで全ページを撮した。さらに子との通話履歴と、依頼を受けた際のメッセージを保してもらった。
そこには、こうかれていた。
《由美子を午5までに宿へ入れてください。3は絶対にへさないこと》
《本が病院へきたいと訴えても、妄なので取りわなくて構いません》
《すべてが終わるまで、携帯話も預かってください》
「すべてが終わるまで」という表現が、私の胸へ刺さった。子は3で、何を終わらせようとしているのだろう。
をり始めて30分ほどすると、運転は脇のさな待避所でを止めた。そこではスマートフォンの波が辛うじて2本っていた。
彼が別のタクシーを呼んでいる、私は必な証拠を自分のメールへ送り、娘のにも転送した。
タクシーが到着すると、私は運転へ向き直った。
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「最に1つだけ教えてください。義母は、なぜ私を今ここへ隔したいと言っていましたか?」
運転は答えるべきか迷った末、い声で言った。
「ご主のしいご族を迎えるためだと……そう話していました」
しい族。
その言葉のを理解した瞬、私は目のが暗くなるのをじた。
央総病院までは、の待避所から1くかかった。タクシーの窓にい病院の建物が見えた、私は無識に両を握り締めていた。
危篤というらせが嘘であることは、ほぼ違いない。それでも健が事故に遭ったことまで嘘とは限らなかった。
救急受付で健の名を告げると、護師は端末を確認し、首を傾げた。
「健さんでしたら、4階の般病棟です。命に関わる状態ではありません」
「交通事故に遭ったと聞きました。危篤だと……」
「部をし縫っていますが、検査できな異常は見つかっていません。のため、今夜まで経過を見る予定です」
やはり子は嘘をついていた。私は礼を言い、エレベーターで4階へ向かった。
病は402号だった。扉のまで来ると、から女性の笑い声が聞こえた。
私は反射にを止めた。子の声に混じって、聞き覚えのない若い女性の声と、子どもの楽しそうな声がする。
「お父さん、包帯かっこいいね」
「そうか? じゃあ退院してもしばらく巻いておこうかな」
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健の声だった。危篤どころか、冗談を言えるほど元気らしい。
胸をなでろすべきなのに、私の体はたくなっていった。私はスマートフォンの録音能を起し、扉の隙からを覗いた。
ベッドのには、へい包帯を巻いた健が座っていた。その隣には30代半ばほどの女性がおり、学学に見える男の子が健へ寄り添っている。
子は女性へ級そうな袋を渡し、男の子のをおしそうになでた。
「理さん、これからは慮しなくていいのよ。翔太はの切な跡取りなんだから」
「お義母さん、ありがとうございます」
女性が自然に「お義母さん」と呼んだ。まるでそう呼んできたような響きだった。
「それにしても、由美子さんはうまくに乗ったかしら」
子が計を見ながら言うと、健は笑った。
「母さんの演技がげさだから、疑う暇もなかっただろ。運転には絶対にへすなと伝えたんだよな?」
「ええ。3は奥よ。携帯も取りげるよう頼んでおいたわ」
理がそうに声を落とした。
「本当に丈夫なんですか? 警察に相談されたら……」
「精神に定な嫁を保護しただけよ。依頼も作ったし、あの宿には監カメラがない。由美子さんが騒いだら、やっぱり精神がおかしい証拠になるでしょう?」
子は楽しそうに笑った。
「そのに婚届をして、荷物をへ運びす。本が失踪したことにすれば、へ戻ってきても入れないわ」