"ハワイへ行った夫の離婚届" 第3話
「いいから帰ってもらえ」
「直!」
菜さんは私たちを交互に見た、無理にそのに残って揉め事をきくすることは避けた。
「では本はここまでにします。美さん、でケアマネジャーさんにも状況を共しておきますね」
そう言って帰った。
扉が閉まった途端、直が私を睨んだ。
「何で勝なことしたんだよ」
「何度も相談したでしょ」
「俺は認めてない」
「じゃあ、あなたが介護してよ」
私もそのは引かなかった。
「私じゃ限界なの。入浴だって、今のお父さんをで支えるのは危ないのよ。私が転んだらどうするの?」
「1以やってきたんだから、今さらできないっておかしいだろ」
を疑った。
1できたから、この先もできる。
直にとって介護とは、そういうものらしい。
「あなた、介護をしたことがほとんどないから分からないのよ。お父さんは半と同じ状態じゃない」
「だから何だよ」
「約束したでしょう。自分も伝うって」
「俺は仕事してるんだよ!」
直の声がに響いた。
寝にいた義父がそうに顔をしたため、私は慌てて声を抑えた。
すると直は、私が反論しなくなったのを勝ったとったのか、さらに言った。
「のを稼いでるのは俺だぞ。リフォームのローンだって俺が払ってる。美は今、仕事してないんだから、のことと介護をするのは普通じゃないのか」
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私はしばらく直を見ていた。
このは本当に、全部忘れてしまったのだろうか。
私が会社を辞める、何度も「本当に丈夫?」と聞いた。
そのたびに直は、「俺も緒にやる」と言った。
それなのに今では、私が無職であること自体を理由に、介護を押し付けている。
そのの夜から、私は直が勤務しているだけ訪問介護を利用するようになった。
本来なら夫の顔をうかがう必などない。しかしので鳴られ、介護士を追い返されれば、最も定になるのは義父だった。
菜さんは事を聞いても、直を悪く言うことはなかった。
「介護する族ので見がわないことは珍しくありません。でも、美さんが倒れたら宅介護そのものが続かなくなりますからね」
そう言って、私の体調まで気にしてくれた。
私はいつしか、義父のことだけでなく夫のことまで菜さんに話すようになっていた。
直は休になると、以よりすることが増えていた。
「会社の付きい」
「昔の友達」
「ゴルフ」
理由はいくらでもあった。
帰宅が遅くなるも増えたが、私は義父の介護だけで精杯で、夫のを詳しく気にする余裕などなかった。
今えば、それが直には都が良かったのだろう。
そして数か。
直は突然、を疑うようなことを言いした。
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「は俺が父さんを見るよ」
私はを止めた。
この1以、自分からそんなことを言ったことなど度もなかったからだ。
「どうしたの、急に」
「最ずっと任せっぱなしだったからさ。たまには髪でも切って、買い物でもしてくれば?」
直は珍しく笑っていた。
確かに、美容院にはもう8かっていなかった。
私は迷った。
しかし同に、しくらいになるが欲しいという気持ちも抑えられなかった。
「本当に丈夫?」
「ああ。自分の親だぞ」
その言葉を、私は信じることにした。
翌、久しぶりに髪を切った。
帰りには結婚によく通っていたカフェへ入り、でケーキとコーヒーを頼んだ。たったそれだけのことなのに、自分が何も別の世界に閉じ込められていたような気分になった。
それでも4ほど経つと、義父のことが気になってきた。
直は事をちゃんとさせただろうか。
トイレは丈夫だっただろうか。
私は予定よりくをた。
まさかその、自宅では夫が私との結婚活を終わらせる準備をしていたなど、考えもしなかった。
へ戻ったのは午4だった。
玄関をけた瞬、妙に静かなことが気になった。義父が起きているならテレビの音か、直と話す声が聞こえてもおかしくない。
「ただいま」
返事はなかった。
私はまず義父の部へった。
利さんはベッドで眠っていた。呼吸も穏やかで、枕元にはみかけの麦茶が置いてある。