"消えた指輪と義父の手帳" 第2話
答えだった。
その夜。
美咲は寝で夫へ聞いた。
「本当に私が盗ったとってる?」
亮介はベッドへ座ったまま、しばらく黙っていた。
「ってないよ」
「じゃあ何でお義母さんに言わなかったの?」
「今言ったら余計揉めるだろ」
「私が棒扱いされてるのに?」
「だから、また話そう」
美咲は夫の顔を見ていた。
「亮介って、いつもだね」
「何だよ、それ」
「お義母さんが私の郵便勝にけたも。勝に私のクローゼット見たも。仕事辞めたらって言われたも」
「母さんも悪気は」
「それ、もう言わないで」
亮介は黙った。
美咲は。
その初めて。
指輪そのものより。
夫の態度の方が怖くなった。
翌朝。
仕事へく準備をしていると。
富美子が玄関へっていた。
「美咲さん」
「何ですか」
「今、仕事くにバッグ見せて」
美咲はを止めた。
「どうして?」
「指輪、持ちされたら困るから」
「お義母さん」
「何?」
「本気で言ってます?」
富美子は目を逸らさなかった。
「やましいことがないなら見せられるでしょう」
その言葉で。
美咲ので。
何かが切れた。
「見せません」
「何ですって?」
「私のバッグです」
富美子の顔が険しくなる。
「このにませてもらってるで」
「賃も活費も払ってます」
「そういう問題じゃないでしょう!」
亮介が階からりてきた。
「何やってるんだよ、朝から」
富美子が息子へ訴える。
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「この、バッグ見せないのよ」
亮介は困った顔をした。
そして。
美咲へ言った。
「回見せたら?」
美咲は夫を見た。
「亮介も?」
「何もなかったら、それで終わるだろ」
その言で。
美咲は決めた。
バッグを見せる代わりに。
自分の部へ戻った。
最限の。
仕事具。
財布。
通帳。
化粧品。
それだけを旅用バッグへ入れた。
亮介が追いかけてきた。
「何してんの?」
「実帰る」
「何でそこまで」
美咲は振り返った。
「何もしてないに、そこまでさせてるのは誰?」
夫は。
答えられなかった。
階では。
富美子が言った。
「逃げるの?」
美咲はバッグを持ったまま階段をりた。
「逃げるんじゃありません」
「じゃあ何?」
「棒と緒に暮らしたくないのに、無理して置いてもらう必ないでしょう」
富美子は。
瞬黙った。
その。
美咲は初めて。
義母の顔に。
りとは違うものを見た。
焦り。
ほんの瞬。
でも。
確かに。
富美子は。
美咲が本当にていくとは。
っていなかった。
美咲の実は、夫のからで1ほどれた所にあった。
父は4にくなり、現は56歳の母・千鶴がで暮らしている。突然きなバッグを持って戻った娘を見ても、千鶴は事を全部聞こうとはしなかった。
「今はお呂入って寝たら?」
それだけ言った。
翌朝。
美咲は久しぶりに母の作った噌汁をんだ。
が濃い。
富美子なら、
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「塩分取りすぎ」
と言いそうだった。
そう考えた自分が嫌になった。
「何かあったんでしょう」
千鶴が聞いた。
美咲は。
指輪。
3万円。
防犯カメラ。
バッグを見せろと言われたこと。
全部話した。
母はしばらく聞いていた。
「亮介君は?」
「何も言わない」
「あなたを信じないの?」
「信じてるとは言う」
「言うだけ?」
美咲は頷いた。
千鶴は。
それ以夫の悪を言わなかった。
ただ。
「何も盗ってないなら、謝らない方がいい」
と言った。
「面倒だから謝るのも?」
「駄目」
母は即答した。
「やってないことで回謝ると、次から全部あなたのせいになるから」
その言葉が。
妙に胸に残った。
昼。
らない番号から話が来た。
ると。
女性だった。
『美咲さん?』
「はい」
『藤原由佳です』
亮介の姉だった。
36歳。
結婚して隣県にんでおり、に数回しか会わない。
由佳は。
母・富美子とあまり仲が良くない。
実へ来ても数で帰る。
美咲は、姑と娘には昔から何かあるのだとっていたが、詳しく聞いたことはない。
『母から聞いた』
「指輪?」
『うん』
由佳はし黙った。
『美咲さん、本当に取ってない?』
聞かれた瞬。
また疑われたのかとった。
「取ってません」
『そう』
由佳の声は。
にも。
ししたようだった。
『じゃあ、絶対謝らないで』
美咲は驚いた。
母と同じことを言われた。
「どういうですか?」
『今どこ?』
「実です」
『よかった』
由佳は。
さらに声をくした。
『そのまま戻らない方がいい』
背がたくなる。
「何で?」
話の向こうで。
い沈黙があった。
『同じこと、にもあったから』
「同じこと?」