みかん小説
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"古い工場を渡された嫁" 第2話

「私が、もうすぐぬことにしましょう」

話の向こうで瞬、沈黙がまれた。

「そして会社も経営危に陥ったことにする」

「会、それは……」

「器が満ちているは、誰だって優しい顔をする。空になったとったがどう変わるのか。この目で見ておきたいんです」

渡辺はしばらく黙っていた。

やがてい声で答えた。

「分かりました。必な準備をいたします」

代会は受話器を置いた。

そのの彼女はまだらなかった。

自分が最初に計画を打ちけたその男もまた、別の惑を胸の奥に隠していたことを。

の夕方、代会族と会社の主な役員を自宅へ呼び集めた。

広いリビングにはいテーブルが用され、男夫婦、次男夫婦、役員たちが次々と席へ着いた。突然の招集だったため、誰も事らず、そうに顔を見わせていた。

やがて代会が姿を見せると、内は静まり返った。

普段より顔が青く見えた。

実際には体調に問題はなかったが、そのはあえて化粧をくし、疲れて見える姿で現れたのだ。

「今、皆さんをお呼びしたのには理由があります」

代会はゆっくりと全員を見渡した。

とりわけ2の嫁と2の息子の表を、見逃すまいとするように見つめた。

「先、病院で検査を受けました。今は再検査の結果を待っているところです」

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それ以、病名には触れなかった。

だからこそ、内の緊張は段とまった。

最初にいたのは彩佳だった。

「ご健康のことですか? お母様、どこかお悪いのですか?」

言葉だけを聞けば、配している嫁そのものだった。

しかし代会は見逃さなかった。

そう尋ねながら、彩佳の線が瞬だけ夫の健へ流れたことを。

も妻を見た。

2の目がほんの瞬交わり、すぐにれた。

次男の幸介は、半分席からがっていた。

「母さん、病院にはいつったんだ? どこが悪いんだ。俺も緒に――」

「今はまだ詳しいことはいい」

代会は静かに制した。

幸介は配そうな顔をしたまま、ゆっくり腰をろした。

「そして、もう1つ話があります。会社のことです」

役員たちが斉に姿勢を正した。

「先から始めたミールキット事業が、きな赤字をしています。このままではの事業部まで響を受けかねません」

ざわめきが広がった。

実際には、ミールキット事業を除けば会社の経営にきな問題はなかった。だが、その事実をっているのは代会と限られた者だけだった。

の表らかにこわばった。

庭で聞いた会話どおり、彼には個な借があった。

利息は々膨らみ、母の会社や株を頼りにしなければ、自分ではどうにもできなくなりつつあった。

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代会は、そんな息子の顔を静かに見てから続けた。

「そこで決めました」

全員の線が集まった。

「来発売するしいミールキットを、2つのチームに分けて作ってもらいます」

代会は彩佳とユナを交互に見た。

方は彩佳。もう方はユナ」

2の嫁が同に顔をげた。

「その成果を見て、この会社を最終に誰へ任せるか決めます」

リビングに緊張がった。

男と次男はすでに会社経営の第線かられていたため、継者候補が2の嫁であること自体は、族のでも以から暗黙の解となっていた。

しかし、その決定がこれほど突然訪れるとは誰もっていなかった。

「役員の皆さんも、今から2つのチームを公平に支援してください。どちらにも偏らないように」

役員たちは戸惑いながらもげた。

その夜、全員が帰った代会は自に1で座っていた。

窓のには、庭の々が暗で揺れていた。

「私は何をしているんだろうね」

独り言のように呟いた。

元気な体で、子供たちのではを予させるような演技をしている。

正しいことなのか分からなかった。

それでも迷いがまれるたびに、庭で聞いた声が蘇った。

――お母様、これから先どれだけきられるかしら。

代会は目を閉じた。

そしてを決めた。

から、2の嫁の態度にはっきりと違いが現れ始めた。

彩佳は数に1度、自宅を訪れるようになった。

「お母様、来ましたよ」

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