"祖父を迎えた家に福が来た" 第7話
瞬だけそうった。
けれど、祖父の部で見たあの表をいした。
「もうダメじゃ」
自分のが族の迷惑だとい込み、消えてしまいそうな声で呟いた祖父。
あの姿を作った活へ、私はもう戻りたくなかった。
兄からの話は、それきりだった。
そののことは、親戚を通じて断片に聞いた。
兄夫婦は結局、婚したという。
式典での件以から夫婦関係は良くなかったらしい。
祖父の管理についても、兄は「自分はらなかった」と責任を兄嫁へ押しつけ、兄嫁は「夫も承していた」と言い返した。
互いに相を責め続け、最には緒に暮らすことすらできなくなった。
実を売ったも、兄が自由に使えるわけではなかった。
婚、甥の養育費など今必となる支払いを負担することになった。
兄嫁も楽ではない。
結婚は専業主婦だったため、期仕事かられていた。
資格らしい資格も持っておらず、騒で周囲の目も気になる。
実へ戻ったものの、なかなかしい活をて直せずにいると聞いた。
私はそれ以、詳しくろうとはしなかった。
が苦しむ姿を見てびたいわけではない。
ただ。
祖父をからすに兄嫁が言った言葉だけは、々いす。
「今度は恵子さんにを取られるのね」
あの、祖父をとしてではなく、おを持ってくるとしてしか見ていなかったのではないか。
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もし兄夫婦が祖父を本当に切にしていたなら。
祖父が3億円を相続したとったも、
「よかったね」
で終わっていたはずだ。
祖父が寄付を選んだなら、そのを尊できたはずだ。
ところがは、
「自分たちのだ」
とった。
それがすべてだった。
方、祖父の活は穏やかだった。
寄付の続きが終わると、
「仕事が終わった」
と笑っていた。
3億円を放しても、しも惜しそうにはしない。
「本当に全部寄付してよかったの?」
ある、私は改めて聞いた。
祖父は縁側でお茶をみながら言った。
「わしが持っとっても仕方ない」
「でも、何か欲しいものなかった?」
「あるぞ」
「何?」
「このべた羊羹、また買ってくれ」
私は笑ってしまった。
「3億円持ってたの願いが羊羹?」
「うまかったからのう」
匠も横で笑った。
そのの夕方。
3で所の菓子へった。
祖父は自分の財布を持っていた。
座も、今は本と相談しながら管理している。
必な活費はしてもらうこともあるが、使途を必ず祖父に説し、残も緒に確認する。
以のように、
「自分のおがいくらあるか分からない」
などということはない。
羊羹を買った帰り。
祖父が突然言った。
「恵子」
「ん?」
「あの、連れしてくれてありがとうな」
私は歩く速度を落とした。
「急にどうしたの」
「あのにおった頃はな」
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祖父はしくを見るような目をした。
「朝、目が覚めても、今もまだきとるとわれるのが嫌じゃった」
胸が痛んだ。
「今は?」
匠が聞いた。
祖父は笑った。
「も起きたいとっとるよ」
それだけで分だった。
祖父の相続と寄付に関する続きが段落した頃。
今度は私たちのに、本当のできな来事が起きた。
体調がいつもと違う。
最初は仕事の疲れだとっていた。
けれどのため検査を受けると、妊娠していることが分かった。
病院から帰る途。
私は何度も診察券の入った鞄を確認した。
嬉しい。
でも信じられない。
3、匠と2で暮らしてきたに、しい族が増える。
その夜。
私は夕に匠へ伝えた。
「ちょっと話があるんだけど」
「どうした?」
「族が増えるみたい」
匠は数秒、が分からない顔をした。
そして私のお腹を見る。
「え?」
私は笑った。
「赤ちゃん」
匠は子からちがった。
「本当に?」
「うん」
何度も確認する。
「本当に?」
「本当だって」
匠は私を抱きしめた。
それからしれたところに座っていた祖父へ振り向く。
「おじいさん!」
「何じゃ。うるさいのう」
「ひ孫だよ!」
祖父も固まった。
「……ひ孫?」
目がきくなる。
「恵子に?」
「そう」
祖父はゆっくりちがった。
そして私のお腹を見ながら、突然背筋を伸ばした。
「きせんといかんな」
私と匠が笑う。
「今までも分きしてるよ」
「まだりん」
祖父は翌朝から散歩の距を増やした。