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"面接官の誤算" 第6話

「弟さんが採用になったから、から調査したってことでしょう?」

「違います」

兄は即座に否定した。

「調査は、それ以から始まっています」

佐野の眉がいた。

親会社へ届いていた相談は、なくとも半で11件あった。途採用の応募者から、特定の学群以骨に見されたという訴えが4件。女性応募者へ結婚や産予定を執拗に尋ねられたという相談が2件。庭環境や親の職業について、仕事と無関係な発言をされたという報告もあった。

さらに、採用結果に自然な偏りがあることも内部データから分かっていた。

次、次で評価を得ている応募者が、最終面接で突然最評価へ変わる。

逆に、途の評価が平均でも、特定学の者や佐野と共通の経歴を持つ候補者は最終に採用される割い。

もちろん統計だけで正だと決めつけることはできない。しかし、匿名相談の内容とわせると、調査する理由としては分だった。

「そこで通常の応募者として選考を経験できるを探していました」

兄が俺を見た。

「達郎が以からこの会社へ興を持っていたので、協力してもらったんです。格すれば本の希望次第で普通に入社して構わない、格ならそれも選考結果として受け入れる。その条件で受けてもらいました」

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佐野は唇を噛んだ。

「つまり、最初から私を試していたわけですか」

「あなたを試したわけではありません。採用プロセス全体を確認しました」

実際、次と次についてはきな問題が見つからなかったという。面接官の評価シートにも具体な理由がかれており、俺についても「業界経験は浅いが論理に説できる」「事業務への理解がある」と比較い評価が残っていた。

問題は最終面接だった。

俺の評価欄には、佐野がいたい文章が残されていた。

《当社準に達せず。庭環境を含め育ちに懸。》

それを見た瞬、俺は言葉を失った。

育ちに懸

体何を基準に。

誰が。

そんなことを。

判断できるのか。

兄は静なまま続けた。

「しかも、弟の面接だけではありません。過2分を調べたところ、似た表現が複数ありました」

《品格に欠ける庭環境》。

方私で当社文化への適応は困難》。

《母子庭で定性に疑問》。

そこまで読みげられると、社の岸本まで険しい顔になった。

「佐野君。私は、こんな評価基準を承認した覚えはない」

佐野は初めて、らかに揺した。

それでも彼はすぐに姿勢を戻し、「私は会社のためにやってきたんです」と反論した。

「うちの板を守るためには、誰でも入れればいいわけじゃない。実際、私が採ったは優秀です」

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兄はそこで資料を閉じた。

「今は、まさにその話をするために来ました」

佐野は、自分が成果をげてきたことを示せば何とかなるとったのだろう。

しかし。

兄たちが調べていたのは。

採用面接だけではなかった。

佐野は、それまでの揺を振り払うように自分の実績を話し始めた。採用した社員の定着率、管理職候補の選抜、コスト削減、採用広報の改善。数字だけを聞けば、確かに事部として定の成果をしているように見えた。

「私は結果をしてきました。会社に必を見極めてきたんです」

佐野は胸を張った。

「応募者全員に気持ちよく帰ってもらうのが事の仕事じゃないでしょう。には厳しく見る必があるんですよ」

兄はを挟まず、最まで聞いていた。

それが佐野には「認めてもらえている」ように見えたのかもしれない。次第に声に勢いが戻り、最には俺を横目で見ながら、自分の判断が正しかったとまで主張し始めた。

「このだってそうです。学歴も特別じゃない、職もじゃない。それに片親だと本が言っていた。私は総に見て、うちにはふさわしくないと判断しただけです」

会議の空気が、再びくなった。

俺は何も言わなかった。

兄も母子庭で育っただ。

正確には、父に引き取られただけで俺とはが違うが、「両親が揃っていない庭」

という佐野の乱暴な分類なら、兄も同じところへ入るはずだった。

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