みかん小説
本棚

"孫の一言で知った息子の計画" 第3話

画面をスクロールさせ、専な薬理作用と期連用の副作用の項目をい入るように見つめる。

――連用による健忘、過性の記憶障害。 ――い倦怠、注力および判断力の顕著な。 ――齢者における見当識障害、ならびに偽性認症(認症様症状)の誘発。

るスマートフォンの液晶画面に表示されたそれらの徹な医学記述が、私のに燻っていた疑の炎を、逃れようのない絶対な「確信」へと変えていった。

幸……美咲さん……あなたたちは、私に体何をしようとしているの……?)

激しい悸を抑えながら、私はく息を吸い込んだ。 この恐ろしい疑の真実をに晒すため、私はを押し殺し、極めて慎かつ静にを起こすことを、で固く決した。

そのの夜、私は夕の席につき、普段通りの穏やかな義母の顔を取り繕いながら、向かいに座る息子夫婦のを、神経を研ぎ澄まして注く観察することにした。

「はい、お父さんの好物だった肉じゃがですよ。湊ちゃんもたくさんべてね」 「わあい、お肉だ!」

いつものように皿の料理が並び、幸が無言で自分の箸を割り、美咲が湊の茶碗にご飯をよそる。 から見れば、どこにでもある絵に描いたような仲睦まじい世代同居の平景であった。

広告

事が終わりにづいたその、美咲が座敷からがり、台所へと向かった。

「お母さん、今お疲れ様でした。はい、いお茶をどうぞ」

美咲は、いつものように満面の柔らかな笑みを浮かべながら、私専用のマグカップを両で丁寧に私の目のへと置いた。 そのつきや所作には、見すると何の自然さも淀みもなかった。 しかし、台所のカウンター越しに彼女のきを観察していた私は、決定な瞬を見逃さなかった。 美咲は、幸や自分がむお茶を注いだ気ポットの保温トレイからではなく、シンクの脇に置かれた別のさな急須から、わざわざ私のカップにだけ緑茶を注ぎ分けていたのだ。

「ありがとう、美咲さん。いつも気を遣ってくれて嬉しいわ」

私は穏やかな笑顔を作りながらマグカップを受け取り、両で包み込んだ。 そして、湯気を先で吸いながらカップの縁に唇を当て、むふりをして喉をかしたが、実際にはお茶を滴たりともへ含まず、そのままテーブルのへと静かに戻した。

その瞬、向かいの席でスマートフォンを弄っていた幸の線が、スッと素く、しかし異様な執着を持って私の元のカップに向けられたのを、私は界の端で決して見逃さなかった。

事が完全に終わり、リビングの片付けがむ。

広告

いつもなら、分も経過すれば猛烈な眠気との濁りに襲われ、をもつれさせながら寝へ引きげていた帯になっても、私の識は澄み切ったの夜空のように、どこまでも冴え渡っていた。

(……やはり。あのお茶のに、あのい薬が確実に混入されていたんだわ)

疑いようのない事実をにして、私のは底れぬりと絶望によって、完全に凍りついていた。

その夜、計の針が午を回った頃。 私は真っ暗な寝のベッドから音をてずに抜けし、裸のままたい廊を音もなく歩いて、リビングの引き戸のを潜めた。 リビングのドアの曇りガラス越しに、まだ内のかりが漏れており、息子夫婦が起きている気配がしたからだ。

私は壁にをぴったりと押し当て、神経を集させて聞きてた。 やがて、内のの押し殺したような密談が、はっきりと私のび込んできた。

「……ねえ、あとどのくらいかかるかな?」

ちを含んだ幸のい声だった。 それに答えて、美咲のややかな囁き声が返ってきた。

「もうしの辛抱よ。最、お母さんの様子がらかにおかしくなってきているでしょう? 昼もぼーっとしてることが増えたし、さっきも同じことを何度も聞き返してきたわ。薬は確実に効いてるのよ」

美咲の酷な返答をにした瞬、私は胸を鋭利な刃物で抉られたような衝撃を覚え、息を呑んだ。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: