みかん小説
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"孫の一言で知った息子の計画" 第1話

の柔らかな斜が、ち並ぶ商業施設のガラス窓に反射して、アスファルトの面を淡く照らししていた。 私、堀内かず子は、今歳を迎える。勤めげた総病院の護師を定退職して久しいが、腰の健やかさを保つための散歩を兼ねて、歳になる最の孫、湊(みなと)のさなを引いて歩いていた。

「おばあちゃん、あっちにね、おっきな板があるよ!」 「そうね、湊ちゃん。が来ないか、をしっかり見て渡りましょうね」 「うん!」

湊の柔らかく温かいさなのひらが、私の節くれったをきゅっと握り返してくる。 という気のくなるようなを、を着て医療の最線で患者のと向きい続けてきた私にとって、引退の今、この幼い孫とをつないで過ごす穏やかな常のひとときは、何物にも代えがたい極の癒しのそのものであった。 額に汗を浮かべながら懸命にかす湊の横顔を見つめているだけで、胸の奥底から温かい幸福がじんわりと湧きがってくるのをじていた。

私たちは、いつもの見慣れた型ドラッグストアの自ドアをくぐった。 内にを踏み入れると、エアコンの効いた涼しい空気とともに、様々な用品や消毒液の匂いが腔をかすめる。

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用のアルコール消毒液を自分のにすり込み、湊のさなのひらにもく吹きかけて伸ばしてやった。

「湊ちゃん、今は何か欲しいものがある? お利に歩いてきたから、好きなお菓子をつ選んでいいわよ」

私が目線をわせて優しく語りかけると、湊は丸い目を輝かせ、嬉しそうに内をきょろきょろと見回し始めた。

「わあい! おかし、なににしようかなあ!」

さな取りで、湊は気揚々と通を歩きした。 とりどりのスナック菓子やチョコレートが陳列された華やかなお菓子売りへ向かうものとばかりっていた私の予に反して、湊は駄菓子の棚のをトコトコと通り過ぎ、なぜか奥まった調剤薬局のカウンターに般医薬品のコーナーへとんでいった。

「湊ちゃん、お菓子はあっちの棚よ?」

声をかけながらろをついていくと、湊は第2類・指定第2類医薬品が然と並べられたガラス棚ので、ピタリとを止めた。 そして、そのさな差し指をすっと伸ばし、目線のさにある青とのパッケージの箱を指差しながら、屈託のない無邪気な声で、あの言葉をにしたのである。

「おばあちゃん、これね、パパのお部にもあったよ」

その瞬、私の臓は、まるで極寒の氷に直接浸されたかのようにドクンと激しくね、そのまま凍りついて止まりました。

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の血の気が気に引き、の奥でキーンという甲鳴りが響き渡る。

「……え?」

私の線は、湊のさな指先が真っ直ぐに指し示しているその商品へと吸い寄せられた。 そこに鎮座していたのは、販されている眠導入剤のパッケージであった。 それも、般用医薬品として薬局で購入できるもののでは、ジフェンヒドラミン塩酸塩をはじめとする抗ヒスタミン系の催眠鎮静成分を主軸にした、医療従事者である私自がその薬理作用と副作用のさを熟している、極めて効力のい製剤であった。

(なぜ……? なぜ、息子の幸がこんなものを……?)

激しい揺が波のように押し寄せ、考が激しく乱れ始める。 幸は昔から寝付きが良すぎるほどで、眠に悩んでいるなどという話は度も聞いたことがなかった。しかも、歳の湊がその箱の形状とデザインをはっきりと記憶し、「パパのお部にあった」と証言しているということは、引きしの奥くに隠してあるのではなく、子どもの目につくような所に無造作に置かれているということだ。

幸が自分でんでいるの? それとも……)

様々な吉な疑問がを嵐のように駆け巡り、私はそのち尽くしたまま、完全に言葉を失ってしまっていた。

「おばあちゃん? どうしたの? お顔がくなってるよ……?」

私のただならぬ沈黙と張った表を敏に察したのか、湊がそうに私の顔を見げ、私のズボンの裾をキュッと引っ張った。

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