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"「住所は教えない」と言った息子へ" 第9話

かつて母親を「づる」と呼び捨て、まいの所すら隠して傲に拒絶した息子。 今やその酷な言葉のすべてが、完璧な因果応報となって彼ら自活を容赦なく叩き潰していた。

切にしない者は、決してから切にされることはない。 この宇宙の絶対理が、揺るぎない現実となって彼らのりかかったのだ。 私はその報いを、空から徹に見届けながら、自らの完全なる精神勝利を確信していた。

タワーマンションの最階から見ろす夜景は、もはや単なるの灯りではなかった。それは、私が自らの尊厳と自由を完全に奪還したことを証する、勝利のであった。 かつて屈辱に震え、涙を流していた私が、今や誰にも脅かされることなく、堂々とこの美しいを見ろしている。その厳然たる事実こそが、私のにおける最の逆転劇であった。

私はグラスを傾けながら、夜の静寂に向かって静かに呟いた。

「これが、因果というものよ」

私はもう度と、過の鎖に縛られることはない。 私のは、何もののためでもなく、ただ私自のためにこそしているのだ。 その揺るぎない確信を胸に抱き、私はり輝くしい々へと、力く歩みをめ始めたのである。

タワーマンションの最階で迎える朝は、まさに静寂そのものであった。

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界の喧騒から遥か数百メートルれたこの空では、音も、々のざわめきも切届かない。遮るもののない巨なガラス窓面から差し込んでくる柔らかく清らかな朝の陽は、私がをかけて抱え込んできたの傷と疲労を、まるで温かな湯のようにゆっくりと洗い流してくれるようにじられた。

私は淹れたての湯をゆっくりと含み、肺の隅々まで鮮な空を満たすようにく呼吸をえた。 誰の嫌を伺うこともなく、誰からの求に怯えることもない。この静謐なこそが、ここからが本当に私自なのだと、細胞のつひとつで実できる至福の瞬であった。

このタワーマンションに移りんでから、私は自分自体との声に、誰よりも丁寧に、誠実に向きうことを毎朝の課にしていた。

リビングの広いスペースで無理のないストレッチをい、ベランダに面した観葉植物の瑞々しい葉に吹きで丁寧にを与える。そして、窓のに広がる広並みを見ろしながら、誰にともなくさく会釈をするのだ。

「今、よろしくお願いします」

声にして静かに唱えると、胸の奥底に、じんわりと温かく誇らしい自尊が灯るのをじるのだった。

このしい活において、私は何よりもまず、自分自の「健康」

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を最優先事項に据えていた。 マンション内に併設されている居者専用の級フィットネスクラブに通い、専属のパーソナルトレーナーによる個別指導を受け始めた。 最初は慣れないマシンやトレーニングの雰囲気にし緊張もしたが、トレーナーは私の齢やこれまでの運歴を細やかに考慮し、決して無理のない、体の芯をえるメニューを親になって提案してくれた。

あるのセッション、鏡ので姿勢を正していた私に、インストラクターの若い女性が嘆の声を漏らした。

「美津子さん、背筋の伸び方が本当に素らしいですね。軸が本、綺麗に通っています」

その言葉を聞いた瞬、私は鏡に映る自分自の姿をじっと見つめた。 かつて息子の理尽な求に怯え、さく縮こまっていた私の背が、まるで誇りのように凛として伸びているのを見て、目くなるのを覚えた。 誰かに尽くすためではない、ただ私自が健やかにきるための努力。そして、それを純粋に認め、称えてくれる温かな声。私はこれまでので、このような真っ当な承認の言葉を、ずっと無識のうちに待ち望んでいたのかもしれない。

になると、私は域の文化サークルにも積極に顔をすようになった。 特にになったのはであった。

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