みかん小説
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"「住所は教えない」と言った息子へ" 第7話

(この景こそが、自らので戦い抜いてきた今の私にこそ、ふさわしい)

内覧を終えた私は、サロンの商談席に着くなり、迷うことなくそので購入の志を決断した。 提示された売買契約にペンをらせ、自らの名を署名する私のは、議なほどに片の震えもなく、むしろ未来への揺るぎない確信に満ちていた。 それは単なる産の購入契約などではなかった。息子に支配され、搾取され続けた過の自分と完全に決別し、しいのスタートを力く刻み込むための、宣戦布告の儀式でもあったのだ。

契約を終え、タワーマンションの壮観を見げながら帰につく、私の胸の奥底には、かつてないほど力い炎が静かに宿っているのをじていた。 これから私は、経済にも精神にも、何ものにも縛られず、誰からも指図されない、真の自由なを歩んでいくのだ。

その夜、静まり返った部の窓辺に腰掛け、私は、過の自分を振り返っていた。 これまでの私は、母親として自己を犠牲にし、族に尽くすことこそが唯の美徳であり、幸せなのだと盲信してきてきた。しかし、それは息子族の傲さを肥化させるだけの、しいに過ぎなかったのだ。 私が本当に守るべきだったのは、な期待に応えることではなく、自分自としての「尊厳」

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であった。

「……これからは、私のを、私自で選ぶわ」

暗がりのでそう静かに呟いた、何もの、胸の奥底にく沈殿していた澱のような苦しみが、すっと溶けて消えていくような議な覚があった。 のために捧げてきたそのものは、決して無駄な過ではなかったのかもしれない。しかし、もはやそれに執着し、未練を残す必はどこにもないのだ。私は自らの志と力で、誇りき未来を切り拓いていけばよいのである。

窓のに広がる夜景のは、まるで私のしいと決を祝福するかのように、どこまでも美しく輝いていた。 経済援助の完全止、持ち資産の再確認、そして空の処の獲得。これらの断固たるのすべてが、私の誇りを取り戻すための、完璧なる反撃の第歩となったのである。

タワーマンションの最階、ペントハウスへの引っ越し当。 私の胸の内は、かつてないほど穏やかな静寂に包まれると同に、揺るぎない自信に満ちあふれていた。

作業を着た引越業者のスタッフたちが、際よく慣れたつきでしい具や荷物を運び込んでいく。綺麗に磨きげられた無垢材のフローリングに、遮るもののない向きの太陽のが燦々と差し込むと、その空はまるでとは完全に切りされた別世界のようであった。

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なガラス窓からに広がる並みを見ろすと、これまで何ものわったことのないような、澄み切った解放が胸いっぱいに広がった。

かつて息子夫婦から「づる」と蔑まれ、その価値を無残に否定された私が、今や都空から、遮るもののない自由を悠然と見ろしているのだ。

広々としたリビングの窓辺に静かにち、どこまでも広がる京のパノラマを見渡しながら、私はで静かに誓った。 ここから、誰にも邪魔されない私の本当のを始めるのだと。 これまでにわわされた屈辱やしみは、もはや私を縛りつける鎖ではない。あのきにわたる苦痛の々は、すべてこの最の景と自由をに入れるための、必な試練に過ぎなかったのだ――今ではからそうえるようになっていた。

そのの夜、荷解きをあらかた終えて静寂が戻った部で、私はへ最の連絡を入れることにした。 スマートフォンをに取り、画面に表示された番号を迷いなくタップする。コール音が度鳴ったか鳴らないかのうちに、受話器の向こうからの焦燥しきった声がび込んできた。

「母さん! やっと話してきた! 体何の用だよ!? 考え直して援助を再してくれる気になったのか!?」

私はゆっくりとく息を吸い込み、どこまでもややかに、そして落ち着き払った声で告げた。

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