"0円の注文帳" 第8話
しかし枝は受け取らなかった。
《あの弁当は0円だから》
そう言ったという。
直子は封筒を見て。
注文帳をいした。
「じゃあ、このお」
しばらく考え。
「くの子ども堂に渡しませんか」
美咲は頷いた。
母が作ったさな仕組みは。
母がんでも。
しだけ形を変えて続いていく。
の。
法を終えたあと、節子が通の封筒を直子へ渡した。
「これだけは、49が終わってから渡してくれって言われてた」
母の字。
《直子へ》
直子はでへ戻り、シャッターを閉めてから封をけた。
便箋は6枚あった。
《直子へ》
《あなたがこれを読んでいる頃には、私はもう説できないといます。だから、都のいいことだけかないようにします》
直子はゆっくり読みめた。
母は最初。
父が辞退届をした、本気でった。
何が何でも直子を京へかせたいとった。
学にも交渉した。
も用した。
しかし。
翌の再入学の能性がた。
母は迷った。
父の体調。
の経営。
こもれび箱へ入れた。
計。
そして。
娘がいなくなれば。
自分では全部を支えられない恐怖。
《私はあなたのより、自分が困らない方を選びました》
直子はを止めた。
《今まで、これを「族のためだった」と考えようとしたことがあります。でも違います。自分のためでした》
母は。
自分を正当化していなかった。
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《あなたが京へったら寂しかった。それも本当です》
《あなたを応援したい母親と、そばに置きたい母親が、私のに両方いました。そして私はい方を選びました》
直子の目から涙が落ちた。
《だから、私を全部許さなくていいです》
次の文で。
直子は声をして泣いた。
《あなたが私を嫌っていた30には、理由があります》
母は最まで謝罪だけをいていたわけではない。
直子が婚した。
彩が学へけなくなった。
仕事で昇した。
くから母はっていた。
《あなたは結局、自分で料理の仕事を選びましたね。スーパーだとしても、何百分もの事を考えているあなたを、私は勝に誇りにっていました》
そして最。
《もし彩ちゃんが何かを選ぶが来たら、私よりに違えてください》
《正しい母親にならなくていいです》
《ただ、あの子が話し終わるに答えを決めないであげてください》
直子は泣きながら笑った。
母はぬ直まで。
自分の失敗を覚えていた。
そして。
娘に同じになるなとは言わなかった。
しだけ。
に違えろと言った。
「こもれび弁当」を完全にけ渡すは、母のから3週に決まった。
厨器を引き取る業者が午に来て、午には管理会社へ鍵を返す。43使われたなのに、最のに残っていたのは段ボール箱が6つと古い丸子が2脚、壁からされた褪せた計だけだった。
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朝8過ぎ、直子がシャッターをけると、すでに隆子が待っていた。
「最なんだから伝うよ」
「腰痛いんでしょう?」
「は元気だから丈夫」
相変わらずの言い方に、直子は笑った。
し遅れて叔母の節子も来た。昼には美咲まで千葉から顔をし、結局、静かに終わるはずだった最のが、昔の商のようにの入りするになった。
昼は直子が作った。
母が使っていた最の米を炊き、凍庫に残っていた鶏肉を唐揚げにし、根を醤油で煮た。料理を運びながら、「処分する材だから期待しないで」と言ったが、隆子はべてすぐに首を傾げた。
「やっぱり枝さんよりいね」
「最のくらい黙ってべられないの?」
「でも唐揚げは直子ちゃんの方がうまい」
「急に褒めても遅い」
節子と美咲が笑った。
以なら、母と料理を比べられるだけで嫌だった。けれど今は、同じにならないことを素直に受け入れられた。
母には母のがあった。
自分には自分のがある。
同じものを作る必はなかった。
昼が終わった頃、商の管理組から田島という男性が訪ねてきた。再発に建てられるしい商業棟の説会で何度か顔をわせたことのある、60歳の男性だった。
「野さん、ちょうどよかった。最にもう度だけ相談したいことがありまして」
田島はしい商業棟の図面を広げた。
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