みかん小説
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"帰れなかった15歳" 第9話

「私は度だけ、こっそりしてあげようとった」

「それは?」

「見つかったの。島に」

主の島はを破り、鳴った。

余計なことをすればおも仕事を失うぞ。

には病気の夫と幼い子どもがいた。

「怖くなった」

は膝のを握った。

「ごめんなさい。そのの私は、自分の暮らしを守ることで精いっぱいだった」

美津子は責めなかった。

今、自分が聞きたいのはその先だった。

事の、何があったんですか」

は顔をげた。

「あの子が、みんなを起こしたの」

、作業から煙ががった。

女たちは2階ので眠っていた。

最初に異変へ気づいたのが佐子だった。

子は布団を回り、女たちを起こした。

階段には煙が充満していたため、裏根へ窓から移り、そこから1ずつ面へろした。

に残ったのは、佐子と千代子だった。

「千代ちゃんが怖がってけなくなったの。佐子ちゃんが先にろした」

そして自分がりようとしたにしていた古い庇が崩れた。

子は約3メートル面へ落ちた。

く打った」

「病院は?」

「救急で運ばれた」

「どこの病院ですか」

は答えるに、美津子の顔を見た。

「私ね」

唇が震えていた。

「佐子ちゃんは、んだとってた」

美津子の背たいものがった。

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から、そう聞かされたんですか」

は頷いた。

翌朝、島は従業員たちへ言った。

「あの子は駄目だった」

それ以の説はなかったという。

事の数島縫製所は操業を止した。

女たちは別々の請けへ移され、もそこを辞めた。

「でも今考えれば、おかしいの」

が言った。

「何がですか」

届も、葬式の話も聞いてない。警察が来て族を探した様子もなかった」

美津子はがった。

「病院の名を覚えていますか」

はしばらく目を閉じた。

そして、23閉じ込めていた記憶から取りすように、1つの名にした。

病院は今も残っていた。

建物は建て替えられていたが、当の入院記録の部は倉庫に保されていた。

354

15歳女。

災による転落。

部打撲。

美津子は職員と緒に古い台帳をめくった。

しかし「佐藤佐子」という名はなかった。

代わりに、よく似た名があった。

《佐藤子 推定15歳》

子……」

美津子はその文字を見つめた。

所欄には「詳」。

保護者欄には何もかれていない。

搬送者の欄だけに、島縫製所の名が残っていた。

「このの、そのは分かりますか」

古い記録を担当していた職員がページを追った。

「入院は約4かですね」

「4か?」

美津子は驚いた。

は翌くなったと聞かされていた。

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記録には、識障害と言語障害がく続いたと記されていた。

最初の数週はほとんど会話ができない。

識が戻ってからも、自分の名所を正確に答えられなかった。

島縫製所は事の直に連絡が取れなくなっている。

警察への照会記録もあったが、届けられていた名が「佐藤子」で、所もだったため、族へはたどり着かなかった。

美津子は子へ座り込んだ。

たった文字。

「佐子」の「」だけが名だとわれ、「子」と記録された。

方、の届けは「佐藤佐子」。

は全国の報を瞬で照できるような仕組みなどない。

そのさない違いが、母と娘のに23ものを作っていた。

「退院したは?」

職員がさらに記録を調べた。

元を引き受ける族が見つからなかったため、都内の婦保護施設へ移されたとある。

美津子はすぐにその施設を訪ねた。

施設そのものは数に閉鎖されていた。

しかし当働いていた職員の1が、埼玉県にんでいることが分かった。

文枝。

76歳。

美津子はトヨへ話をかけた。

「おばさん」

「何か分かったのかい」

「佐ちゃんかもしれない女の子が、事で怪をして病院へ運ばれていました」

話の向こうで息をのむ音が聞こえた。

きてたの?」

なくとも、そのきています。

4か入院しています」

トヨは何も言わなかった。

やがてさな声で尋ねた。

「どうして、に連絡してくれなかったんだろう」

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