みかん小説
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"車に私の席はなかった" 第11話

私はその保険証をしっかりと握りしめ、コートを着てへと歩きした。

向かったのは、以この町にんでいた頃にかかっていた田内科だった。

昔からあるさな医院で、域のお寄りを丁寧に診てくれると評判の所だ。

には、油ストーブの温かい匂いと静かなが流れていた。

私は受付で事しだけ話し、認能の検査をお願いしたいと伝えた。

診察に入ると、髪の田医師が穏やかな笑顔で私を迎えてくれた。

林さん、随分お久しぶりですね」

田医師は言った。

「お元気そうじゃないですか」

私はしだけ緊張しながら、息子夫婦とので起きている来事を正直に話した。

私が認症であるという嘘の類が作られ、を追いされそうになっていること。

田医師は驚いた顔をした、静かに頷いて検査の準備をしてくれた。

付、季節、自分の齢、そして簡単な計算問題と図形の描写。

私は落ち着いて、つの質問に正確に答えていった。

「全く問題ありませんね」

田医師は笑顔で言った。

齢相応の物忘れ、それすら見当たらないほど優秀ですよ」

田医師はそう言って、正式な診断をそのげてくれた。

『対象者には認能のは見られず、判断能力は完全に正常である』という文。

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その枚のは、私がこれまでで抱えてきたを吹きばすほどみがあった。

これで私を認症にしてを売ろうとする彼らの計画は、完全に壁にぶつかるはずだ。

病院をると、の太陽がしだけく昇り、たい空気を温め始めていた。

私はさなマンションの部に戻り、テーブルのに診断を丁寧に置いた。

そして、朝から鳴り続けていたスマートフォンの画面をようやくいて確認した。

直哉からのメッセージは、件以も溜まっていた。

『母さん、頼むからどこにいるかを教えてくれ』

『施設の迎えのに来ているのに、本がいないと困るんだよ』

『青葉病院の先にも連絡がいって、騒ぎになっているんだ』

私はそのメッセージを読みながら、彼らの計画が今まさに崩れ始めているのをじた。

施設のに本を引き渡せなければ、契約をめることはできない。

しかも私がいないことで、青葉病院での受診の審な点も浮き彫りになるはずだ。

さらに画面をスクロールすると、絵理からも数件のメッセージが届いていた。

いつもは親族ので丁寧な言葉を使う彼女の文章が、今はひどく乱れていた。

『お義母さん、勝なことをしないでください』

『今に実印を持って帰ってこないと、桜産との契約が破談になります』

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のことはで毎しずつ返しますから、とにかくに戻ってきてください』

私はその文章を見て、わずたい声で笑ってしまった。

彼女は焦りのあまり、自分たちがを売却しようとしている事実を文字で認めてしまったのだ。

の名も、私が持ちした実印が必だという事実も、全てここに残っている。

私が黙ってたことで、彼らは自分たちの都の良い嘘を隠しきれなくなっていた。

私はこの画面を証拠として残すために、すぐに保の操作をった。

もう彼らの焦った言葉にを痛めるような私ではない。

私がすればが丸く収まるというは、昨の夜に完全に捨てたのだ。

証拠はつずつ、確実に私のに集まり始めている。

私は診断とスマートフォンを並べ、次のを静かに考え始めていた。

古いマンションの窓から、るい差しが静かに差し込んでいた。

私はテーブルのに、今までのに集まった類を並べた。

田内科でもらった、私の判断能力が正常であることを証する診断

緑町役へ提されようとしていた、嘘の介護認定の申請

そして、あのを売却するために作られた桜産の査定報告だ。

私は元のスマホをに取り、法律事務所の佐藤司法士に話をかけた。

数回の呼びし音の、昨と同じ落ち着いた声が話から聞こえてきた。

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