みかん小説
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"車に私の席はなかった" 第7話

幼い頃、すと私のを決してさなかったさな指の記憶。

初めて料をもらったに、照れくさそうにさなケーキを買ってきてくれた姿。

その数ない美しい記憶が、私をこのたいに縛り付け、判断を鈍らせていた。

たくされても、事を全て押し付けられても、私がすればいいのだと。

けれど、私がみ込んできたは、族を丸く収めるためのものではなかった。

彼らが私を都よく騙し、私の財産を奪い取るための稼ぎに使われただけなのだ。

窓のに、私が毎彼らのために夕の買いしに通ったスーパーの板が見えた。

特売にはい荷物を両げて、しでも費を浮かせようと歩いただ。

そのを、私は今自分ので呼び止めたタクシーに乗って通り過ぎていく。

駅に着き、私は運転に料を支払った。

静かにお礼を言って、タクシーをりた。

の夜の駅は、マフラー越しでも吐息が真っに染まるほどえ込んでいた。

休みを終えてそれぞれの所へ帰るたちで、構内はまだし混雑している。

族連れがきなお産の袋を持って、楽しそうに歩いている姿が目に入った。

私は彼らの横を通り抜け、券売に並んだ。

田舎の駅まで向かう幹線の切符を買った。

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指定席を選ぶ画面で、私は迷うことなく窓際の席を指先でしっかりと押した。

この数、私が自分で自分のための席を選んで買ったのは、これが初めてのことだった。

いつも族の余った所や、目たない隅の席ばかりに縮こまって座っていたからだ。

改札を抜け、エスカレーターに乗って幹線のホームへとゆっくりとがる。

元のキャリーケースが、私の決さを代弁するように輪の音をてていた。

ホームのベンチに腰をろした、コートのポケットでスマートフォンがく震えた。

私は画面を取りした。

そこに表示された文字を見た瞬わず息を止めた。

それは、族の予定を共するために絵理が設定したカレンダーの通画面だった。

孫の塾の送迎予定を私が違えないようにと、無理やり登録させられたものだ。

画面の通欄には、の午の予定がはっきりと黒い文字で表示されていた。

『母親の施設入所。朝番で荷物をまとめ、に乗せること』

その文字の横には、予定を登録した物として直哉の名がはっきりと記されていた。

絵理ではなく、私の実の息子自が、私をこのから追いす予定を打ち込んでいたのだ。

さらにそのには、備考としてごくいメモが添えられていた。

に必ず通帳と実印の所を聞きすこと。

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見つからなければ部を探す』

私はその無質な画面を見つめたまま、指先から完全に血の気が引いていくのをじた。

のどこかで、直哉は絵理の計画に仕方なく巻き込まれたのだといたかった。

息子は本当は私を案じているけれど、気のい妻には逆らえないのだと信じたかったのだ。

しかし、この事務なメモは、そんな私の甘い未練を根元から無残に打ち砕いた。

彼らは私を無理やり施設へ送り込むに、財産の全てを奪い取るつもりだったのだ。

症という嘘の理由をでっちげ、私が支払った1200万円の痕跡まで消しるために。

喉の奥にくて苦いものが込みげてきて、私はわず元を片で覆った。

私はい息を吐きした。

そのカレンダーの能をスマートフォンから完全に削除した。

彼らのたい予定表のに、もう私の秒たりともしない。

ホームにアナウンスが響き、眩しいと共に幹線が静かに滑り込んできた。

私はがり、しだけじるキャリーケースを引きながら内へとを踏み入れた。

自分の切符の番号を探し、窓際の席を見つけてゆっくりと腰をろす。

の効いた内で、私はバッグのからさな写真てを取りした。

写真のの夫は、何も言わずにただ穏やかな優しい差しで私を見つめ返している。

私はコートを脱ぎ、膝のに夫の写真を置いた。

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