"帰りたくない少女と赤い車" 第15話
のからそのハンマーのシルエットを見て、リンはわず息をんだ。
さっきカーテン越しに見えたは、これだったのだ。
匠を押さえつけていた警察官の顔がさらに険しくなり、彼の腕を掴むにい力がこもる。
匠はそのままパトカーの部座席へと引に連された。
発見されたハンマーは、証拠品として慎に透な袋に入れられた。
玄関では、鍵を受け取った警察官が鍵穴に鍵を差し込み、ロックを解除した。
彼はホルスターの拳銃にを添えながら、慎にドアを押しけた。
「警察です! 誰かいますか!」
警察官の太い声が、暗いのに響き渡った。
しかし、からはすぐには返事が返ってこない。
警察官たちは緊張した面持ちで顔を見わせた。
彼らは懐灯ので暗を切り裂きながら、のへと慎に踏み込んでいった。
目ので繰り広げられる緊迫した景を見つめながら、リンの全をアドレナリンが駆け巡っていた。
匠の柄は無事に確保され、パトカーのろには通報を受けた救急も到着している。
リンは震えるでスマートフォンをエプロンのポケットにしまった。
彼女はのドアハンドルを引き、ドアをけた。
たい夜が照った顔に当たり、しだけが静になる。
リンは臓を激しく打ち鳴らしながら、をりて林の方へと歩きした。
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パトカーにづいていくと、部座席に押し込まれた匠の顔が見えた。
彼の顔は、りと屈辱で醜く歪んでいる。
匠は錠をかけられたまま、窓越しにリンの姿を見つけた。
彼は信じられないといった表で、リンを激しく睨みつけた。
匠は錠に抗うようにをよじりながら、パトカーの窓ガラス越しに叫んだ。
「ずっと俺と娘をストーカーしてたのか!」
彼の声はまで微かに漏れ聞こえてきた。
「警察、こいつを逮捕しろ! 俺たちをつけてきたんだぞ!」
その狂気に満ちた言葉に、リンの背筋が再び凍りついた。
しかし、彼女は逃げることなく、そのにち止まった。
現を指揮していた1の警察官がリンを振り返り、尋ねるような線を向けた。
「あなた、本当ですか?」
警察官はリンにづき、真剣な顔で尋ねた。
「この男性のをつけてきたというのは」
リンは呼吸をして、自分を落ち着かせた。
「私は、勇気リンと申します」
リンはしっかりと警察官の目を見て答えた。
「110番通報したのは私です。娘さんのめちゃんが通う、保育園の保育士です」
リンは林の方を指差した。
「めちゃんの全が配で、林さんのを追ってきました」
リンはポケットからスマートフォンを取りし、警察官に見せた。
「ので起きていた暴力の録画と、鳴の音声記録があります」
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警察官は画面を見て頷き、しだけ表をらげた。
「事聴取をお願いすることになります」
警察官はリンに告げた。
「勇気さん、現の全が完全に確認できるまで、ここで待していてください」
警察官が同僚の方へ向き直り、指示をそうとしただった。
リンの線は、いたままになっている玄関のドアに引き寄せられた。
2の警察官に付き添われて、1のさな女の子がからてきたのである。
メイだった。
彼女はひどく怯えてはいたが、歩く様子を見る限り怪はないようだった。
メイはパトカーの赤いので、リンの姿を見つけた。
彼女は警察官のを振り解き、直線に駆け寄ってきた。
そして、リンのにくすがりついたのである。
「めちゃん」
リンは優しく声をかけ、メイの目線にわせてそのにしゃがみ込んだ。
彼女はメイのさな体を、両腕でしっかりと抱きしめた。
「もう丈夫だよ。全だからね」
メイはリンの胸に顔を押し付け、涙でいっぱいのきな目をリンに向けた。
「勇気先……」
メイは掠れた声で囁いた。
「ママが、お呂にいるの。パパが、鍵をかけたの」
その言葉を聞いて、リンの胸はギリッと締め付けられた。
リンはすぐにちがり、くの警察官にその報をきな声で伝えた。
警察官は素く無線をに取り、のを捜索している同僚に連絡を取った。
リンは再びしゃがみ込み、メイのそばに戻った。
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