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"エレベーターの7時間" 第12話

調査員が最の言葉も記録するか尋ねると、健太は私へ目を向けた。

私がうなずくと、彼は正面へ戻った。

「これは個な言葉ですが、危険区域でのさな判断が、を壊し得ると示すものです」

健太はを体ので組み、私の言葉をそのまま伝えた。

「彼に伝えて。私と赤ちゃんは、もう彼を待たない」

格納庫は完全に静まり返った。

は握り締めていた拳を、敗を認めるようにいた。

その、最列に子とマスクで隠れていた桜が、突然がった。

彼女はマスクをし、た。

「そんなのは嘘よ。私だって閉じ込められて怖かった。が先に助けたのは彼の判断で、私に罪はないわ」

は振り返り、桜を静に見た。

「その通りだ。君を先に運んだのは俺の判断だから、俺は処分を受ける」

彼は桜の腕に残る力を見ても、づかなかった。

「だが、妊婦を押し、喘息発作を装い、病院や職で嫌がらせをしたのは、君自の判断だ」

桜は顔を失い、が私のために自分の社会活を壊すのかと叫んだ。

私は茜に支えられてがり、桜へ目を向けた。

「誰もあなたを壊そうとしていない。自分のしたことに責任を取るよう求めているだけよ」

桜は私をにらみ、を奪ってまだ何を望むのかと声をげた。

私はと桜を順に見て、首を横に振った。

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「私は何も奪っていないし、彼を取り戻したいともっていないわ」

私は幹部たちへ向き直り、このへ来た理由を伝えた。

将来、妊婦、齢者、子供が緊急事態に置かれたくで声をげるがいるという理由だけで回しにされないようにしたかった。

それだけを確実にするために、記録と証言を残したのだと話した。

から、さく賛同する声ががった。

男の子のを引いた恵がち、消防士たちを見回した。

「あのさんがいなければ息子はきてられませんでした。1番静かなが、1番全だとは限らないと教えてください」

控えめな拍が起こり、やがて格納庫全体へ広がった。

私は拍でも泣かなかった。

あの暗で流すべき涙は、すでに流し尽くしていた。

最終は3かの無職処分となり、線へ復帰できるかは再評価に委ねられた。

桜はクリニックでの騒ぎが公になり、勤務先から正式に解雇された。

彼女は泣きながら格納庫をたが、今度は誰も追わなかった。

が散り始めると、さな透袋を持ってづいた。

袋は事故被害者の所持品を保管するもので、には私の結婚指輪が入っていた。

ラベルには「結婚指輪1個、返却保留」と記されていた。

は袋を差ししたが、私はを伸ばさなかった。

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彼は指輪を見つめ、のない声で尋ねた。

「これを、どうすればいい」

私は透袋と事故記録を見比べた。

「消防署の事故記録ファイルへ入れて。あの事故の部として、過に置いておきましょう」

の目から涙が落ちた。

彼は袋を胸元へろし、私を見た。

「俺は、本当に君を失ったんだな」

私は彼が通り過ぎた夜をい返し、静かに訂正した。

「失ったのは今ではないわ。扉がいた、私をへ置きりにした瞬よ」

は何も言えず、指輪の袋を持ったまま、そのに残った。

私は茜と格納庫をて、迎えのへ乗った。

最終聴取のは茜を通じて婚協議へ署名すると伝えた。

婚は翌週のに成した。

区役所は混みい、言い争う、泣く、黙って座るがいた。

と私は同じ列のベンチに、1席空けて座った。

彼は署名済みの類を持ち、の端を親指でなぞっていた。

から名を呼ばれると、がり、最の確認をするように私を見た。

私は腹を支えてったが、何も返さなかった。

分証を確認し、係員が双方へ控えを渡した。

係員は類をそろえ、私たちへ告げた。

続きは完しました」

婚の証を見つめたまま、窓れた。

役所のると、彼は階段のから私を呼び止めた。

とは違う距を置き、私の名へ敬称を付けた。

さん。最の健診だけ、ってもいいだろうか」

私は階段のから、彼の疲れた顔を見た。

「必ありません」

は寂しそうに笑い、相変わらず厳しいと言った。

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