"エレベーターの7時間" 第9話
翌、はアパートのまで来たが、部へがらず、当の真相だけを伝えたいと連絡してきた。
私は正さんに付き添ってもらい、ロビーから庭へた。
は無精ひげをやし、ベンチに座っていた。
私を見るとちがったが、差ししかけたを途でろした。
私は向かいに座り、正さんは数mれた所で待った。
は彼女を見て、苦しそうに笑った。
「俺と2きりになることもできないんだな」
私は背もたれへ寄りかかり、うなずいた。
「ええ」
は崩落事故の、目覚めた病で桜がを握って泣いていたため、彼女を恩だと信じたと説した。
この数で当の救助隊へ連絡し、助けを呼んだ女も突き止めていた。
女は鳴を聞いて救急を呼んだだけだと言い、報を望まず名を残さなかったという。
私はの伏せた目を見て、確認した。
「桜はっていたの」
は目を閉じ、拳を膝へ置いた。
「認めた。本当のことを言えば、俺が構ってくれなくなるとったそうだ」
は罪悪と責任を混同し、私が理性でいから待ってくれるとい込んでいたと謝った。
私は彼の説が終わるのを待ち、顔を見た。
「忘れていたのではないわ。私にも恐怖があると、1度も考えようとしなかっただけよ」
はその言葉を認め、ポケットから磨かれた結婚指輪をした。
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彼はのひらの指輪を見つめ、声を震わせた。
「エレベーターで君をどれほど傷つけたか、ずっと考えていた」
私は指輪ではなく、彼のを見た。
「傷ついたのは、息ができず、叫ぶこともできなかったよ。指輪をしたは、したの」
の目が赤くなり、選び直す会を求めるように私を見た。
私は腹へを置き、首を横に振った。
「もう、あなたに誰かを選んでほしくない。私はあなたを選ばないから」
は子供がまれるまで婚を待ってほしいと頼み、をて料を送り、何でもすると申した。
私は条件を並べる彼を見て、言葉を区切った。
「交渉をしているのではないわ。もう、あなたを必としていないの」
は両親のそろった庭が子供に必だと訴えた。
私は腹のきを確かめてから、彼を見返した。
「そろっているだけの庭より、全な庭で育てたいの」
その、産婦科クリニックの同僚、のり子から話が入った。
のり子は息を切らし、桜が私を捜して院内で泣き叫んでいると伝えた。
私はちがり、到着した茜のへ向かった。
乗り込む、へ桜のを示すように携帯話を見せた。
「これが、あなたが10守ってきた『さ』の正体よ」
私はへ乗り、を庭に残してクリニックへ向かった。
到着すると、2階のホールでは妊婦向けの応急当講座がかれていた。
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10数の妊婦が訓練用形や救急キットをに座る、桜は会全体に聞こえる声で泣いていた。
のり子は桜のにち、クラスを妨げないよう頼んでいた。
桜は周囲を見回し、涙を拭わずに訴えた。
「さんのせいでが話にもてくれない。私は何をしたというの」
私はすりにつかまりながら階段をり、のり子に支えられた。
桜は私を見ると、泣き腫らした目を見いた。
彼女は私へ数歩づき、責めるように声をげた。
「どうしてを私から奪うの。騒ぎを起こすつもりはなかったの」
私は桜をからまで見て、会の静けさを確かめた。
「私はかられようとしているの。あなたから奪うのではなく、あなたへ返しているのよ」
桜が言葉を失うと、私はホワイトボードのへみ、マーカーを取った。
講座の参加者へ向き直り、板面へ条件をいた。
「閉鎖空、妊婦、齢者、子供、に定な。この状況で、誰を換気所へづけるべきでしょう」
1の妊婦がをげ、順に対象を確かめた。
「齢者と子供と妊婦です」
私はうなずき、次の項目をいた。
「正解です。1番きな声で泣くではありません。閉鎖空では叫ばず、体力と酸素を温します」
別の妊婦が、最も危険なのはパニックだと答えた。
私は参加者を見回し、理由を補った。
「パニックは全員の酸素消費を増やし、危険な状態のの率をげます」
桜は私へ突し、マーカーを奪おうとして腕をつかんだ。
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