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"退職届を出した夫が、最後の会議で暴いた妻社長の嘘" 第11話

美穂は唇を結び、列の役員たちを見た。

数秒、彼女は乾いた声で答えた。

「調べました。告発は事実ではありません」

私はその言葉が会議全体へ届くまで待った。

美穂は演台へ線を落とし、続けた。

「田が捏造したものです」

誰かのからペンが落ち、机へ当たった。

は勢いよくがり、子をろへ押した。

彼は汗の浮いた額をぬぐわず、美穂を見た。

「社、そんなはずはありません。俺がこので確認しました」

は田へ顔を向け、い声で聞き返した。

「捏造だと?」

は会議机のにいる私を指さした。

「この男がシステムを操作したんです。今すぐ、そのでアカウントを確認してください」

美穂は田を見ず、めた緑茶へ目を落とした。

茶葉が沈んだカップの表面は、すでにいていなかった。

「座りなさい」

は聞き入れず、さらに声をげようとした。

美穂は初めて彼へ顔を向け、同じ言葉を繰り返した。

「座りなさいと言ったの」

けたまま、声を失った。

そのち尽くしたが、彼を助ける者はいなかった。

は役員たちの顔を順に見回し、誰かが自分に同するのを待っていた。

私は「鈴」といた封筒を机へ置き、父親のへ滑らせた。

封筒が止まるのを確認してから、次の事実を説した。

「鈴が、私への告発は虚偽だと認めてくださったので、もう1つ確認したいことがあります」

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美穂の顔から、わずかにが消えた。

私はスクリーンへ顧客管理システムの記録を表示した。

「先、田は最権限のアカウントを使い、関エリアの全顧客報と今度の購買予定表を力しました」

続いて、システムへ送られたメールと見積いた。

「顧客報は、競会社であるシステムの営業部へ送られています」

画面には田の名、競会社のメールアドレス、見積額と付が表示されていた。

私は画面の該当部分を拡し、送信元のドメインと担当者名が読める状態にした。

さらに、田システムの雇用契約を映した。

「田はこの会社の秘であると同に、システムにも籍しています」

会議方で、ざわめきが広がった。

田部は席をたず、持参した資料を元に置いたまま、画面を確認していた。

私は最に、28階の端末から最権限アカウントが使われた記録を表示した。

「鈴は、この操作がわれたことをっていました」

は封筒をき、資料を1枚ずつ確認した。

をめくるたびに、会議のざわめきはさくなっていった。

見積、雇用契約、接続記録を読み終えると、を机へ置いた。

接続記録の刻と端末の位置を、スクリーンの表示と照らしわせていた。

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彼は娘へ顔を向けた。

「おが、バックグラウンドの記録を消したのか?」

美穂は答えなかった。

まつ毛を伏せ、机の目を見つめた。

首を振ることも、田を否定することもしなかった。

その沈黙が、会議にいる全員へ答えを伝えた。

は資料へ線を戻さず、美穂の返事を数秒待った。

それでも、美穂はかなかった。

私は2つ目の封筒をき、音声ファイルを選択した。

ボタンへ指を置くに、私は会議全体を見渡した。

「今ここへ来たのは、取引先の話だけをするためでも、会社の問題だけを話すためでもありません。私自のことを話すためです」

ボタンを押すと、スピーカーから田の声が流れた。

「旦さん、いついなくなるんですか? いつまでも隠れているのは、きりがないですよ」

続いて、美穂の声が響いた。

「もうすぐよ。来、彼は張だから、そのに話すわ」

は、自分から退職届をすよう仕向ければ、堂々と付きえると提案していた。

い沈黙の、美穂の返事が流れた。

「分かったわ」

録音が終わり、会議へ静寂が戻った。

画面のランプが消え、廊から聞こえていた話し声もざかった。

美穂は両を演台へ置き、顔をげられなかった。

ったまま、役員たちの表を見回した。

朝には乱れていなかった髪が汗で額へ張りつき、顔は青ざめていた。

子からがり、田へ歩み寄った。

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