"退職届を出した夫が、最後の会議で暴いた妻社長の嘘" 第9話
彼は空期へ別会社の名をき、経歴を偽っていた。
録音自体は37秒で、田はずれのさを説せず、美穂も確認を求めていなかった。
事部が見抜けなかったのではない。
美穂が渡辺部へ指示し、審査を通過させていたのだ。
私はその録音を別に保した。
3つの封筒には入れず、USBメモリのにだけ残した。
美穂が会議そのものを壊そうとしたにだけ使う、最の証拠と決めた。
必な準備を終えると、私はい眠りについた。
数かぶりに、横になってから迷わず眠ることができた。
午230分、いシャツへ着替え、3つの封筒を持って会社の入へった。
シャツの襟へアイロンをかけ、擦れた鞄ので封筒が折れないよう位置をえていた。
もなく、社の黒いミニバンが止まった。
社に続き、企画部の田部もからりてきた。
田部は茶いファイルを抱え、私へを差しした。
「マネージャーですね。あなたの関エリアでの営業法は、うちの研修でも事例として使っています」
私は握を返し、わざわざ来てもらったことを詫びた。
田部は3秒ほどを握ってからし、鏡の位置を直した。
田部は首を横に振り、抱えているファイルへ目を落とした。
「私も、あなたを助けるためだけに来たのではありません」
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彼は先、田から医療器の見積を受け取ったと説した。
類も検査報告もっていたが、内容には粗悪な製品が含まれていた。
自然さに気づいた田部は、受け取った見積の控えを保管していた。
社から注されなければ、倉庫は使えない器で埋まっていたという。
田部はファイルを握り、声をくした。
「今来たのは、田と決着をつけるためです」
私たち3は並んでエントランスへ入った。
受付の女性は退職した私を見て目を丸くしたが、来訪予約はまだシステムに残っていた。
役員会秘の若い男性が、エレベーターホールからづいてきた。
彼は私へをげ、美穂からで待たせるよう指示されたと伝えた。
しかし若い秘は、そのままエレベーターのボタンを押した。
美穂は、私を止めれば鈴会へ直接連絡すると判断していた。
若い秘は私たち3が乗るのを待ち、説を続けた。
「引き止めても、あなたは会へ直接連絡するだろうから、無駄なことはせずへ案内するようにとのことです」
扉がくと、私たち3はへ入った。
若い秘は28階ではなく、30階のボタンを押した。
「審査会議は、昨夜急きょ30階へ変更されました」
28階の会議なら、私は設備を目を閉じても扱えた。
30階の仮設会議へ変更すれば、録音を再する際に接続形式の違いでを失う能性がある。
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それが美穂の残した最の妨害だと分かった。
私は鞄へを入れ、4種類の変換アダプターがあることを確かめた。
の営業で、古い設備にも対応できるよう常に持ち歩いていた物だった。
昇、赤い表示は28階を通り過ぎ、そのまま29階、30階へ切り替わっていた。
エレベーターが30階へ着き、私たちはの集まる廊へた。
若い秘は会議の方向を示し、役員会秘へ戻るため、別の廊へ歩いていった。
各部署の責任者、役員、株主代表が会議へ向かっていた。
廊はで埋まり、私たちはその流れに沿って会議の入までんだ。
私を見つけた者もいたが、誰も声をかけず、すぐに線をそらした。
会議の扉のには、コーヒーカップを持った由がっていた。
由は私を見るときを止め、カップを両で握った。
「お疲れさまです、マネージャー」
私は由へうなずき、く返した。
「お疲れさま」
由は何か言おうとしたが、唇を閉じ、体を横へ向けてを空けた。
私たちがを通り過ぎると、由はコーヒーカップを持ったまま廊に残った。
私は社と田部とともに、会議へ入った。
正面には型スクリーンががり、演台にはノートパソコンとマイクが置かれていた。
会議机には未封のが1列に並び、接続用のケーブルは演台のへまとめられていた。
最列には役員と株主が並び、その央に美穂の父親である鈴会が座っていた。
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