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"一つの証拠が暴いた8年間の嘘" 第9話

突破するには度な識と、特定の操作順をっている必がある。 誰が、どうやってそれを破ったのか。その答えを、今ここで俺自で見つけさなければならない。

カタカタとキーボードを叩き、システムの復元ログを解析し始めた、そのだった。

フロアの扉がき、コツコツと革靴の音がづいてきた。

「……こんな夜遅くまで、会社で何をしてるんだい? 自宅待の分際で、随分となことだな」

振り返ると、そこには腕を組んで嘲笑を浮かべる財の姿があった。

「調査の結果を確認しています。主任にも、ほどご報告しようといまして」

「ほお? 潔の証か。無駄な掻きをご苦労なこった。を見てるじゃないとうがねえ」

俺は財の挑発を無し、黙って画面に向き直った。 特殊なデータ復元ツールをらせ、付を指定してメモリの残領域を再構築していく。 やがて――解析結果の画面に、本の画ファイルが復元された。

それは、あの缶コーヒーを受け取ったの記録だった。

画面に映しされていたのは、俺の背った財が、胸ポケットからスマートフォンを構え、絶妙な角度から俺のキーボード入力を盗み撮りしている決定元の映像だった。さらに、社内ネットワークの通信ログを照すると、財のスマートフォンを経由してデータが部サーバーへ転送された痕跡が、々しく残っていた。

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俺は子を回転させ、画面を財に向けた。

「……こののこと、覚えていますか?」

の顔から血の気が引いた。

「は……? な、何だそれ、俺はらねえよ!」

「このファイルは、あなたの社用端末を経由して部へ送信された履歴から復元したものです。削除されていましたが、領域に残っていたデータまでは消できていませんでしたよ」

決定な証拠を突きつけられ、財は顔を真っ青に張らせた。 張り詰めた沈黙が、夜のオフィスを支配する。

やがて、財は観したように自嘲の笑みを漏らし、き直ったように毒づいた。

「……へえ、なるほどな。これを武器に、俺を会社から追いしたいわけか。正義のヒーロー気取りかよ」

「違います。俺はただ、自分ので真実をらかにしたかっただけです」

「ああ、そうかい!」

は吐き捨てるように叫ぶと、激しい嫉妬と憎悪を剥きしにして捲してた。

「俺はおみたいな奴が、昔から反吐がるほど嫌いだったんだよ! 卒のくせに無駄に誠実で、技術があって、周囲から好かれるような奴……! そういう奴が正当に評価されるのが、どうしても許せなかったんだ! それに……俺にはおみたいに、無条件で信じてくれる友なんてもいなかった……! 羨ましかったんだよ……俺は、おが羨ましくてたまらなかったんだ……!」

すべてのを吐きした財は、力なく肩を落とし、静かに背を向けてっていった。

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その丸まった背には、隠しようのない悔と疲労が滲みていた。

元には、すべての真実を示す完全なログデータがあった。 誰が、いつ、どのようにして報を盗みし、部へ漏洩させたのか。曖昧だった点と点が、本の確かな線となって結ばれた。

俺に向けられていた理尽な疑惑と監の目は、こうして完全にらされたのだった。

、俺の無実は社内で公式に発表され、報漏洩事件の全責任を負った財には厳しい処分がされた。

正式に職へ復帰したの夕方、俺のスマートフォンに美咲から通のメッセージが届いた。

、今のお仕事が終わったら、私の会社に来てほしいの。父に……社に会ってもらえないかな』

メッセージの文面は極めて丁寧だったが、画面越しにも彼女の緊張した面持ちが伝わってくるようだった。 瀬美咲の父親といえば、本を代表する巨コングロマリット、富士ホールディングスのトップである瀬総郎社だ。 体何の話があるのだろうか。胸を鳴らせながら、俺は指定された富士ホールディングスの本社ビルへと向かった。

正面玄関のエントランスホールで待っていた美咲は、俺の姿を認めるなり、し俯き加減にりで駆け寄ってきた。

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