"一つの証拠が暴いた8年間の嘘" 第8話
当、遷同然でインドに渡った俺は、誰とも言葉が通じない孤独ので、ひたすらシステムの運用保守をこなす々を送っていた。
アリムはその堂で、皿洗いのアルバイトをしながら、夜になると油染みのついた古い学ノートに、独学でプログラミングコードをき殴っていた青だった。 英語もおぼつかず、寄りもなく、誰にも頼る相がいないで、彼は「世界を変える自作アプリを作る」という壮なを抱いていた。
ある夜、堂の片隅でを抱えていたアリムのノートを、俺は偶然覗き込んだ。
『……ここ、ロジックが破綻してるよ。分、ループ処理がになって抜けてない』
拙い英語と振り振りで声をかけた俺に、アリムは驚きで目を丸くし、やがて涙を浮かべて何度もを握りしめてきた。
それからというもの、俺たちは毎晩のように堂の裏に段ボールを敷き、ノートを広げた。 HTML、Python、SQL、そしてGitによるバージョン管理の概まで、俺は自分が持てる技術のすべてを彼にから教え込んだ。 言葉の壁を翻訳アプリとで乗り越え、共にを追いかけたあの々。
特別応接で、アリムは懐かしそうに目を細め、部たちに向かって堂々と胸を張った。
「。あの、俺の無謀なを笑わなかったのは、世界でおだけだった。俺はおから、技術だけじゃない、世界と向きうための言葉と誇りをもらったんだ」
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発部と課は、青ざめた顔でお互いを見わせ、言葉を失っていた。 アリムはソファから歩み寄り、俺の肩を力く抱き寄せると、部たちをするように鋭い線を向けた。
「のパソコンから報が漏洩した? そんな鱈目を、俺が信じるとうか? はあの暗い堂で、杯数ルピーのいチャイをみながら、俺にデータを守するための暗号化の倫理まで徹底に教えてくれた男だぞ! 自分の仕事とコードに誰よりも責任と誇りを持っている男だ。こんな誠実な男が、報漏洩などという卑劣な真似をするはずがない!」
課が額の汗を拭いながら、恐る恐るをいた。
「し、しかしアリム様、システムに残されたアクセスログという状況証拠が……」
「君たちは状況の表面しか見ていない!」
アリムは鳴のような声で遮った。
「というそのものを、なぜ見ようとしないんだ! 俺が今、こうして巨企業のCEOとして本に来られているのも、すべて彼がいたからなんだぞ!」
そこへ、騒ぎを聞きつけたが社の社が慌てて応接へ駆け込んできた。社は額に粒の汗を浮かべ、揉みをしながら々とをげた。
「アリムCEO、何卒……何卒、今回の業務提携のご契約について、もう度おをいただけないでしょうか……」
アリムはややかな線を社に向け、切の妥協を許さない調で言い放った。
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「僕にとって、朝倉は単なる優秀な技術者である以に、の恩であり、魂の師です。が社が貴社と数億円規模の取引をうかどうかは――彼がこの会社でどのように扱われ、正当な名誉を回復できるかによってのみ決めさせていただきます。それだけです」
俺はアリムの真っ直ぐで温かい言葉に、いものが込みげ、目がくなるのを抑えきれなかった。 アリムは俺の肩を優しく叩き、悪戯っぽく笑った。
「業務提携の察で本に来たら、おがこの会社にいると聞いて驚いたよ。……配するな、。おの無実は、俺が必ず証させてやる」
友の力い差しは、先の見えないいのに差し込んだ、筋の眩いだった。
そのの夕方、アリムからのな請を受け、報処理部に押収されていた俺のノートパソコンが異例のさで返却されることになった。 ち会いのため、俺は誰もいなくなった夜の発部フロアへと向かった。
ガランとした暗いオフィス。 報処理部の職員から端末を受け取った俺は、自分のデスクに座り、源ボタンを押した。 ディスプレイのが青く灯ると同に、胸の奥で静かな闘志が燃えがった。
このパソコンに施していたセキュリティは、俺自が独自に構築したものだ。
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