みかん小説
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"一つの証拠が暴いた8年間の嘘" 第4話

さん、お数ですが、廊の待スペースでお待ちいただけますか?」

「なっ……」

は屈辱と困惑に顔を赤黒く染め、ガタリと乱暴に音をててがった。忌々しそうに音を響かせながら、応接の扉をけてていく。

バタン、とな扉が閉まり、部に残されたのは俺と美咲さんのだけになった。 内にい沈黙が落ちる。

美咲さんはしばらく元の名刺を見つめ、線を泳がせていたが、やがてを決したように、ゆっくりと俺の方へと向き直った。その瞳からは、先ほどまでの「契約の鬼」としての徹さは完全に消えっていた。

「……いつ、戻ってきたの?」

震えるような、懐かしい声だった。俺は喉の奥を詰まらせながら、静かに答えた。

「先……ぶりに、本に戻ってきたんだ」

「そんな……本当に……本当にまた会えるなんてわなかった……」

美咲さんの声が途切れ、そのきな瞳からポロポロと涙が溢れした。彼女は両で顔を覆い、肩をさく震わせた。 その無防備で切ない仕に、俺の胸も激しく締め付けられた。

「……美咲、久しぶりだね」

美咲さんは濡れた瞳をげ、驚いたように俺を見つめた。

「名……覚えててくれたのね」

「覚えてるさ。忘れるわけないだろう」

俺がそう呟いた瞬、彼女の瞳からさらに涙が溢れた。 のあの夜の記憶が、鮮烈な彩を伴って脳裏に蘇ってきた。

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「こんな再会があるなんて……神様が、私たちの止まったをもう度繋げるために仕組んでくれたんじゃないかって、そうえてくるわ……」

「……そうかもな」

俺は静かに微笑みながら答えた。 張り詰めていた胸の奥の結び目が、温かく解けていくような覚があった。 、異国の砂と孤独の奥底にしまい込んでいたが、しずつを取り戻し、確かな声となって戻ってくるのをじていた。

俺と瀬美咲が初めて会ったのは、今からのことだった。 当の俺は、本社でネット回線の拓をう、しがない営業マンだった。 方の美咲は、富士ホールディングスでげられたばかりの通販部の担当者として、毎忙しそうに社内を駆け回っていた。

担当者として繁くオフィスへ顔をすうちに、俺たちは自然と言葉を交わすようになり、のない会話が増えていった。

『朝倉さんのおかげで、回線速度がすごく速くなりました! データのアップロードも瞬です』 『それは良かったです。これで通販の注文もバンバン捌けますね、美咲さん』

そんな何気ないやり取りをねるうちに、俺ので彼女に対するは、単なる取引先の担当者という枠組みをきく超えていった。 仕事の用件を作って会いにっているのか、それとも彼女の笑顔が見たいから会いにっているのか、自分でも境界線が分からなくなるほど、俺は彼女に惹かれていた。

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そして会いからが経ったある、俺は勇気を振り絞って彼女を誘った。

『美咲さん、もしよかったら……今夜、事にきませんか?』

美咲は驚いたように目を丸くしたが咲くような満面の笑顔で頷いてくれた。

そのの夜、俺は仕事を猛スピードで片付け、慣れない級レストランを予約し、夜景が見える窓際の席で緊張しながら彼女を待っていた。 約束のし過ぎた頃、現れた美咲の姿を見て、俺は息を呑んだ。

そこにいたのは、いつものなオフィススーツ姿ではなく、肩のいた柔らかないのワンピースをに纏った彼女だった。 黒髪は軽く巻かれ、ほんのりとと、艶やかなの美しさに、俺は正直、目を奪われてけなくなってしまった。 テーブル席に着き、はにかむようににっこりと微笑む美咲は、これまで見てきたどんな女性よりも綺麗だった。

事はのように楽しいだった。仕事の苦労話から趣の話まで、会話は尽きることなく弾んだ。 そして、コースの最、デザートが運ばれてきたタイミングで、俺はを決して彼女の元を見つめ、言った。

『美咲……俺と、付きってほしい』

だが、俺の告を聞いた瞬、美咲の表から笑顔が消えた。 彼女は信じられないものを見たように目を見き、顔を真っ青にして俯いてしまった。

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