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"閉ざされた玄関の暗証番号" 第12話

「ああ。確認したいことがある。田園調布の自宅を購入した当の資料式は、今も保管されているな?」

『はい、売買契約から当の送履歴、登記関連の類まで、すべて厳に保管してございます』

「今すぐ、そのデータを私のPCへ送ってくれ」

『何か問題でもございましたでしょうか?』

「事実を再確認したいだけだ。頼む」

通話を終えてパソコンをげると、数分で鈴から暗号化されたファイルが届いた。勇気は添付された売買契約のPDFをいた。

買主欄には、紛れもなく『田勇気』の氏名と捺印が記されていた。も建物も、所名義は100パーセント勇気単独のものである。続いて当の資決済記録を確認した。、そして引き渡しの残に至るまで、すべて勇気が会社を成させる過程で築いた個資産から支払われていた。

母の資が1円たりとも投入された記録はしない。き父から相続した遺産が使われた形跡も皆無だった。

それは勇気自、最初から分かっていた事実だった。父が界した、母をで暮らさせるのは忍びないとい、親孝のつもりで同居を持ちかけたのだ。しかし、善で「まわせてあげていること」と、そのに対する「所権や決定権を持つこと」は、法にも倫理にも完全に別次元の話だった。

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勇気はパソコンを閉じ、呼吸をしてからがった。

階段をりてリビングへ戻ると、澄子はまだソファに座って待っていた。息子が向かいの席に腰をろすと、澄子は待ちきれない様子でを乗りした。

「何をそんなにく確認していたの?」

勇気は母の目をまっすぐに見つめた。

「お母さん。桜さんに、このがお母さんのだと言ったんですか?」

澄子の表瞬で張った。数秒の沈黙の、居直るように言い放った。

「……私が何か違ったことを言ったかしら?」

勇気の瞳にたいが宿った。澄子は苛ちを隠そうともせず言葉をねた。

「私の息子がに入れたで、私が緒にんでいるのよ! 私が自分のだと言って、何がそんなにきな違いだっていうの!」

勇気は母の剣幕を静かに受け止めながら、淡々と返した。

「お母さんがここにんでいること自体を問題にしているのではありません」

「じゃあ何が問題なのよ!」

「そのから、桜さんを追いす権利があるとい込んでいたことが問題なんです」

澄子の顔が歪んだ。

「いつ私がていけなんて言ったのよ!」

「桜さんは、ていかないとはっきり拒否したそうですね」

勇気のがテーブルので組まれた。

「それなのに、お母さんと弓が寝に入り込み、勝にスーツケースを広げて私物を詰め込んだ。

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違いますか?」

澄子は言葉に詰まり、線を逸らした。しかし、すぐに言い訳を並べてた。

「あの子はもあって興奮していたし、お互いにになっていたから、数やせばいいとったのよ!」

「桜さんが嫌だと断ったのに、それを無して無理やり荷造りをしたことが問題だと言っているんです」

その階からパタパタと音が響き、弓が階段をりてきた。リビングに座る勇気の姿を見つけると、を止めて驚きの声をげた。

「お兄ちゃん……帰ってたんだ」

勇気は妹を見据えた。

「弓、こっちへ来て座りなさい」

普段と全く異なる兄の徹な声に、弓の顔から血の気が引いた。恐る恐る歩み寄り、母の隣に腰をろす。

勇気はを交互に見つめた、静かに、だが決定な宣告をにした。

「俺も、帰りの々とく考えた。……これからは、今までのように緒に暮らすことはできない」

リビングの空気が凍りついた。澄子の顔から表が完全に抜け落ち、弓も息を呑んで兄を見つめた。

「お母さんと弓には、このて、別の所で暮らしてほしい」

「……っ!」

澄子は弾かれたようにソファからがった。

「今……私と弓に、このからていけって言ったの!?」

「そうです。ですが、今すぐに迷わせるつもりはありません。しいまいを探すも、荷物をまとめる準備も必でしょう。

そのための分に取ります」

弓が青ざめた顔で縋るように尋ねた。

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