みかん小説
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"閉ざされた玄関の暗証番号" 第9話

勇気は通話を終えるや否や、パソコンを再びいて航空券の予約サイトへアクセスした。本来の予定では、現での最終承認を終えて帰国するまでに、まだ数の猶予があった。勇気は現の施責任者の携帯へ発信した。

の午までの全スケジュールで、私が直接ち会うべき案件はすべて倒しで承認を完させます。午の確認事項および残りの打ちわせは、すべて京からオンラインで対応させてください」

は突然の変更に驚き、尋ねてきた。

「田、何か緊急のトラブルでも?」

勇気はわずかに言葉を切り、い声で答えた。

庭で、至急確認しなければならない問題が起きました」

その夜、勇気は翌朝番の羽田きの便を確保した。夜を徹して引き継ぎ資料をまとめ、朝に現での最終確認を終えると、スーツケースをに空港へと直した。

の予定だった張は、こうして突如として幕を閉じた。

のフライトを経て、羽田空港の到着ロビーにった京はすでに夕暮れの暗がりに包まれていた。

勇気はロビーを歩きながらスマートフォンの内モードを解除した。数件の着信が画面に表示され、そのには実の澄子からのものも含まれていた。勇気は画面を見つめたが、折り返しの発信はせず、そのままポケットへと滑り込ませた。

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空港のると、事配していた社用が待していた。専属の運転が駆け寄り、勇気のスーツケースを受け取ってトランクへ収めた。

「社、お疲れ様でございます。田園調布のご自宅へ向かわれますか?」

部座席に乗り込んだ勇気は、すぐには返答しなかった。田園調布の敷へけば、母から事の経緯を問いただすことはできる。だが、今自分が真っ先に face to face で向きうべき相は、母ではなかった。

「いや」

運転がルームミラー越しに勇気を見つめる。勇気はスマートフォンに表示させたメモ画面を確認した。

「この所へ向かってくれ。友のマンションだ」

「承いたしました」

黒塗りのセダンは滑らかに発し、田園調布とは異なる都へと針を取った。

その頃、田園調布の敷では、澄子が息子の帰国を把握していた。空港に着けば当然このに戻ってくるものとい込み、リビングのソファに腰掛けて何度も壁の計に目をやっていた。しかし、どれほどが経過しても、玄関の子錠がく気配は訪れなかった。

勇気を乗せたは、閑静なに佇むマンションの寄せにした。勇気はさな荷物だけを持ち、運転にここで待するよう告げてエントランスへと入った。エレベーターで目の階へがるも、桜にはあらかじめ連絡を入れなかった。

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話越しではなく、直接その表を見て話を聞きたかったからだ。

ち、インターホンのボタンを押した。奥から微かな音がづいてくる。

ドアが静かにいた。現れた蒼井は、ドアのつ勇気の姿を認めるなり、目を見いて息を呑んだ。

「……勇気さん」

「蒼井さん、突然すまない。桜は……ここにいるね?」

蒼井はすぐには答えず、勇気の切迫した表をじっと見つめた、静かに横へとを引いた。

「……どうぞ、入ってください」

勇気は軽くげて玄関をがり、リビングへとを踏み入れた。部の奥のソファに、ブランケットを肩にかけた桜が座っていた。音に気づいて顔をげた桜は、夫の姿を目にした瞬、信じられないものを見るように目を見張った。

「……あなた? どうしてここに……」

勇気もまた、そのを止めた。

桜の顔は痛々しいほどに青く、目のには濃い隈が落ちていた。数ともに休まることのない極限状態に置かれていたことが、そのやつれた姿から痛いほど伝わってきた。勇気は胸を衝かれるいで、に桜のへと歩み寄った。

「桜……体調はどうなんだ? どこか悪いのか?」

桜は気まずそうに線を落とし、ブランケットの端を指先で弄んだ。

「……ちょっと、邪気なだけよ」

勇気の表が険しく引き締まった。

「それならどうして、俺に連絡してくれなかったんだ」

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