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"閉ざされた玄関の暗証番号" 第7話

静養のために数するだけの族の暗証番号を、即座に無効化するなどという求の異常さに、激しい困惑を隠せなかった。弓もまた信じられないといった顔で母を見つめた。

「お母さん! 暗証番号まで消すなんて……!」

澄子は娘の抗議を顧だにせず、渡辺だけを見据えてたく言い放った。

「数れて暮らすことにしたんだから、防犯もその方がいいでしょう?」

その頃、桜は敷のに待していたタクシーのトランクにスーツケースを積み込み、部座席に倒れ込むようにして乗り込んでいた。

「どちらまで向かいましょうか?」

運転の問いかけに、桜はすぐには答えられなかった。実へ帰るつもりはなかった。齢の両親に余計な配をかけるわけにはいかない。桜は震える指でスマートフォンの連絡先をスクロールし、古くからの親友である『蒼井』の名で指を止めた。発信ボタンを押す。

回ほどの呼びし音の、聞き慣れたるい声がに届いた。

「もしもし、桜? どうしたの?」

タクシーの窓のざかっていく田園調布の敷を眺めながら、桜は喉を詰まらせた。

「……蒼井ちゃん……」

「桜? どうしたの、声が震えてるよ?」

桜は溢れそうになる涙を必に堪え、掠れた声で絞りした。

「お願い……数だけでいいから、あなたのに泊めてもらえないかな……」

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タクシーは加速し、田園調布の並みを背にしてっていった。桜はざかる敷からゆっくりと顔を背け、痛む体を丸めた。

自分がた直、義母によって戻るための扉すら施錠されようとしていたことを、このの桜はまだる由もなかった。

アメリカ・現の夜8し回った頃、勇気はホテルの改装現での最終調会議を終え、取りで現事務所をた。朝から施責任者と設計チームのち、通訳を介しながら細かな仕様変更を指示し続けていたため、精神にも肉体にも疲労は極限に達していた。

エレベーターホールで昇を待つ、勇気はスーツの内ポケットからスマートフォンを取りした。差を計算すれば、本はちょうど翌の朝を迎えた頃いだった。勇気は画面のロックを解除し、自然な作で桜の番号をタップした。

元で規則正しい呼びし音が鳴り響く。回、回、回。しかし、どれだけ待っても桜が応答することはなかった。勇気は眉をひそめ、通話を切った。まだ眠っているのだろうかと考え、旦は自分を納得させた。

ホテルへ戻った勇気は、シャワーを浴びてからデスクに向かい、翌の最終プレゼンに向けた契約資料の確認作業をめた。ほどが経過した頃、ふと気になって再びスマートフォンをに取った。

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画面には桜からの着信の折り返しも、メッセージの返信も届いていなかった。

勇気はもう度発信ボタンを押した。しかし、今回もく虚しい呼びし音が部に響くだけだった。勇気の胸の奥に、得体のれない胸騒ぎが広がった。

通話を切り、くメッセージを打ち込んだ。

『起きてるかい? 連絡待ってるよ』

送信完の表示を見つめながら待ったが、分経っても分経っても既読すらつかない。桜は、勇気が張にているほど、連絡を細やかに確認し、差を気遣ってくれる性格だった。仮に話にられなかったとしても、から必ず「仕事だった? ごめんなさい」とメッセージを残すはずだった。

勇気はパソコンのキーボードからし、子の背もたれに体を預けた。

「……何かがおかしい」

が警鐘を鳴らしていた。し考えを巡らせた、勇気は田園調布の実の固定話へ発信した。数回の呼びし音の、受話器が取られた。

「はい、田ですが」

「お母さん? 勇気だけど」

「あら、勇気。どうしたの?」

澄子の声は、普段と変わらない穏やかなものだった。勇気はベッドの端に腰掛け、姿勢を正した。

「夜分にすまない。お母さん、もう寝てた?」

「いいえ、まだよ。テレビを見ていたところ」

「そうか……あのさ、桜さんは? 何度か携帯にかけたんだけど、なくて」

話の向こうで、微かな沈黙が流れた。ほんの瞬のだったが、勇気はその違を見逃さなかった。

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