"朝5時の鬼電話" 第10話
久しぶりの実。
娘にとっては初めてく滞する祖父母のだった。
幸い、実の周囲には病院もスーパーも公園もある。
娘を連れて散歩にられる。
母も緒に歩いてくれる。
所に里のがない。
誰かに監されているかもしれないと考えなくていい。
それだけで、呼吸が楽になった。
輝は元ののくに期契約の部を借り、残務処理と引き継ぎを続けた。
異希望先は、私の実くの支社。
「娘に何かあった、向の両親がい方がだろ」
そう輝が希望した。
さらに里は、私の実の所をらない。
正は仕事の関係で以くまで来たことがあるためっている能性はあったが、今回の事がある以、教えることはないだろう。
輝が異願いをしてから約1週。
驚くほどく連絡が来た。
異決定。
会社がかなり急いで調してくれたらしい。
輝が実へ流した。
娘は父親の顔を見るなり声をげて笑った。
「ただいま」
輝が抱きげる。
「会いたかったぞ」
私はその様子を見ながら、ようやく肩の力が抜けた。
居も実くで探した。
条件は、
病院までい。
スーパーがある。
保育施設も将来利用しやすい。
そして何より。
義実から分距があること。
無事に居が決まり、引っ越しを終えた。
私たちは初めて、
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「もう丈夫かもしれない」
とえた。
ただし輝は、父親である正との連絡だけは続けた。
方法はビデオ通話。
「メールだと里が成りすまして返信する能性もあるから」
そこまで警戒するようになった輝を見て、私はし胸が痛んだ。
実の妹を、ここまで疑わなければならなくなった。
けれどそれほどのことを里はした。
ある夜。
娘を寝かしつけた、正とのビデオ通話に私も加わった。
「向さん」
画面のの正が、し笑う。
「久しぶりだね」
実際にはそれほどが経っていない。
しかし顔を見た瞬、その言葉がるのも無理はないとった。
正の頬がらかに痩せていた。
目のにも濃い隈がある。
「お父さん、丈夫ですか?」
私が聞くと、正は困ったように笑った。
「あれから、ちょっと変でね」
里は病院へくことを拒み続けていた。
それどころか京子と緒になり、
「正に監禁されている」
と周囲へ話し始めたという。
かつて私に向けられた方法が、今度は正へ向けられた。
里は職へ。
京子は所へ。
それぞれ泣きつき、
「夫や父親に酷い目に遭わされている」
と話した。
結果。
正は周囲からたい目を向けられるようになっていた。
「お父さん」
私は画面越しの正を見つめた。
「それでいいんですか?」
「何が?」
「もう、婚した方がいいんじゃないですか」
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言いすぎかもしれない。
それでも、あまりにも正だけが背負いすぎていた。
輝も同じ気持ちなのか、黙って頷いている。
しかし正はゆっくり首を振った。
「京子が様に迷惑をかけないよう止めるのは、夫である俺の役目だ」
「でも」
「里をちゃんと治療につなげるのも、親としての役目だとってる」
疲れた笑顔だった。
「ここで見捨てるのは簡単だけどな」
正は妻と娘を、それでも族として見ていた。
ただ甘やかすのとは違う。
違ったことは止める。
必なら専へ連れていく。
それでも簡単には捨てない。
無なだったから、私は今まで正がどれほど族を切にしてきたからなかった。
「里はもう、俺だけじゃ無理だ」
正は続けた。
「専の力を借りる。必なら制な受診も含めて相談する」
輝が言った。
「父さん」
「ん?」
「もし専の施設とか期治療でが必になったら言ってくれ」
「輝」
「俺にも責任ある気がしてるんだ」
「ない」
正はきっぱり言った。
「おのせいじゃない」
それでも輝は苦しそうだった。
代。
もっとく里へ言っていれば。
に落ち着いたからとしなければ。
兄妹として距を取っていれば。
そんな悔があるのだろう。
私は隣で、輝のを握った。
「お父さん」
「うん」
「私も、何かあったら話くらいなら聞けますから」
正の目がし潤んだ。
「ありがとう」
何度も繰り返す。
通話が終わる直、輝がつ頼み事をした。
「父さん」
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