"名刺一枚の逆転縁談" 第6話
確かに、普通とはし違う世界のたちに見えた。
「でも、ちょっと納得。だから装もきちっとしていたのね」
「装は関係なくない? 休みのだし、おしゃれだってそのの好み次第だろ」
「そうだけど……本当に結婚を許してくれるかな。最初に会ったの私の印象、かなり悪そうだったし」
「俺たち、悪いことしたわけじゃない。父さんたちは偏見で物を言っていただけだ。ちゃんと話せば分かってくれるとうよ」
「そうだといいんだけど」
私はそう答えたものの、胸の奥のは消えなかった。
そして、そのはすぐに現実になった。
ある、仕事を終えて美容をようとした、目のに黒いがすっとまった。
ドアがき、りてきたのは優馬さんの母親だった。
「ごきげんよう」
彼女はサングラスをし、私を見た。
「えっと、名は何だったかしら。優馬に聞いたんだけど」
「あ、藤井まなみです。どうしてここに?」
「ああ、そうだった。まなみさんね。優馬からここで働いているって聞いてね」
彼女は周囲を軽く見回した、穏やかに言った。
「今からおあるかしら? しお話したいことがあるの」
嫌な予しかしなかった。
けれど、婚約者の母親の誘いを断ることもできず、私はさく頷いた。
「分かりました」
「じゃあ、私がよくくところにきましょう」
連れてかれたのは、ホテルのラウンジだった。
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井がく、窓のには都の景が広がっている。テーブルにはいクロスがかかり、周囲には落ち着いた装の客ばかりが座っていた。
彼女は私の正面に座り、を組んだ。運ばれてきたコーヒーをむと、静かにカップを置いた。
「担当直入に言うわね。優馬と別れてちょうだい」
臓が瞬止まった気がした。
「あの……」
「あの子から聞いたでしょう? うちは会社経営をしているの。優馬は今、のなんてやっているけれど、いずれはあの子が会社を継ぐのよ」
「でも、優馬さんは会社を継ぐなんて言も……」
「言わなくたって普通は分かるでしょう? 子どもというのは親の仕事を継ぐものなんだから」
「でも、そうとも限らないんじゃ……」
彼女はいため息をついた。
「やっぱりあなたは所詮、ただの美容師ね。考えが甘いわ」
ただの美容師。
その言葉に、胸の奥がえた。
「優馬の結婚相として、あなたは認められない。あの子には会社経営をサポートしてくれる嫁を、こちらで用するつもりよ。もちろん、あなたよりも運がよく、綺麗で、賢いをね」
彼女は微笑んだまま、ひどいことを言った。
「あの子は今、あなたに惹かれているかもしれないけれど、きっと物珍しくて気に入っただけなのよ」
「物珍しい?」
「そう。あなたはあの子にとって、レアポケモンみたいなじね」
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「ポケモン……」
私はわず聞き返した。
「でも、そんな物珍しさもそのうち消えるはず。あなたなんかよりもっとちゃんとしたが現れたら、そっちに惹かれるに決まっているわ。だから今のうちに別れてちょうだい」
彼女はバッグをに取りかけた。
「話は以よ。分かったわね」
「ちょっと待ってください。勝に決めないでください」
私はようやく声をした。
「体、この話は優馬さんにしたんですか?」
「したわよ。でもあの子も、どっちに似たんだか頑固でね。どうしてもあなたと結婚するって馬鹿なことを言っているから、あなたに直接言いに来たの」
彼女はちがりながら、私を見ろした。
「だから、レアポケモンから別れを切りしなさい。それがあの子と会社のためなの。優馬のことをうなら別れなさい。いいわね」
そう言い捨てると、彼女はヒールを鳴らしてっていった。
私はしばらくそのからけなかった。
をポケモン呼ばわりしたあげく、方に別れろと言う。
体何なのだろう。
その夜、私は「咲」のカウンターで、いつもよりい声で言った。
「ワインください。ボトルで」
優馬さんは驚いたように私を見た。
「ボトルって何? どうかした? 嫌なことでもあった?」
私はホテルのラウンジで言われたことを、全部話した。
優馬さんの表は、話がむにつれて険しくなっていった。
「母さんがそんなことを言ってきたのか?」
「うん。あなたに言っても聞かないからって、私のところに来たみたい」
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