"断髪新郎の逆転婚礼" 第6話
婦控をると、ちょうど廊の向こうから礼子さんが歩いてきた。
着物姿の礼子さんは私を見つけた瞬、骨に顔をしかめた。
「ちょっとあなた」
嫌な予がしたが、ち止まった。
「よくも余計なことを健太さんと美紀に言ったわね」
「余計なこと?」
「私があなたに話したことよ。こっちは事にしたくなかったのに、あなたが告げするから美紀にまで叱られたじゃない」
「それは私のせいじゃないといますけど」
私はこれ以話したくなかった。
「とりあえず、もう会へきますので」
礼子さんの横を通り過ぎようとした。
その瞬、腕を掴まれた。
「ちょっと待って」
「何ですか?」
礼子さんは私の顔ではなく、に巻いたスカーフを見ていた。
「ねえ、あなた。もしかして、そので親戚席に座る気じゃないでしょうね?」
瞬、を疑った。
「……駄目ですか?」
「駄目に決まってるでしょう」
礼子さんは当然のように言った。
「どう見たって病だっていうのがバレバレじゃない。縁起が悪いわ」
胸の奥がえた。
「今は美紀の結婚式なのよ。写真だってたくさん残るでしょう?」
礼子さんは私のを指差した。
「そんな姿のが親戚席にいたら、みんな気になるじゃない。せっかくのおめでたい席なのに」
「だから帰れっていうんですか?」
「族の縁が切れないなら、せめて今ぐらいは帰ってくれない?」
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礼子さんの言葉は止まらなかった。
「今は美紀のれ台なのよ。それなのに病気のあなたがいたら、美紀よりあなたの方が目っちゃうじゃない」
私は唇を噛んだ。
唯の族である兄の結婚式。
そのに来るなと言われている。
族の縁を切れと言われ、今度は式から帰れと言われた。
しの私なら、自分が迷惑をかけているのかもしれないと考え、そのまま帰っていたかもしれない。
けれど今は違った。
兄は私を族だと言ってくれた。
美紀さんも、私を事な妹だと言ってくれた。
だから私は、そのからかなかった。
すると背から声がした。
「彩佳、美紀への挨拶は終わったのか?」
振り返ると、いタキシード姿の健太が歩いてきた。
「お兄ちゃん」
兄は私と礼子さんを交互に見た。
「お母さん、彩佳に何か言っていましたか?」
「え? 別に何も」
健太は笑顔のまま尋ねた。
「聞き違いでなければ、『帰って』って聞こえたんですが」
礼子さんの顔が引きつった。
「あ、だって……こんなじゃ美紀の結婚式で目つでしょう。それに縁起だって悪いし」
兄の笑顔がしだけ消えた。
「縁起が悪い?」
「そうよ」
「逆じゃないですか?」
礼子さんが目を瞬いた。
「彩佳は病気を乗り越えて、今ここに来ているんです」
健太は私を見た。
「結婚活って、いいことばかりじゃないでしょう。
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これから々な困難もあるといます。その困難を乗り越えてここにいるが族のにいる。それってむしろ縁起がいいといますけど」
礼子さんは何も答えられなかった。
「それなのに帰れって言うんですか?」
兄の声は静かだった。
「彩佳は僕の唯の族ですよ」
「でも私は、そんなつもりじゃ……」
「僕に族を捨てろっていうことですよね?」
「違うわよ」
兄はそこで、ふっと笑った。
「族を捨てろと言われたら、僕も帰ることになりますよ」
礼子さんの表が固まった。
「僕は彩佳を捨てる気はありません。では、郎ごと帰りますか?」
「え……」
礼子さんの顔から、気に血の気が引いた。
結婚式当に郎が帰る。
そんなことになれば、困るのは誰なのからかだった。
「そ、それは困るわよ」
「ですよね」
兄は笑顔を崩さなかった。
「それに、お母さんは彩佳が目つことを配されているようですが、それも丈夫です」
「どういう?」
「僕と美紀は、披宴でちょっとしたサプライズを用しています」
健太は楽しそうに笑った。
「それをやったら、きっと僕たち以に目つはいませんから」
「何をするの?」
「見てのお楽しみです」
兄は会の方向へを差しした。
「そろそろ式が始まります。お母さん、親族席でお待ちください」
礼子さんは満そうな表を見せたものの、さすがに反論できず、会へ向かって歩いていった。
2きりになると、健太はすぐに私の顔を覗き込んだ。
「彩佳、丈夫か?」
「うん」
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