みかん小説
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"水を盗んだ隣人の末路" 第15話

「精神なダメージとしては、15万円どころか100万円分くらい払った気分だったけどな」

その夜、私たちは沿いのテラスレストランで、沖縄料理に舌鼓を打った。 オリオンビールで乾杯し、ラフテーやゴーヤチャンプルーをわう。芽はトロピカルジュースを片に、スマートフォンで撮した美ら族館のジンベエザメの画を嬉しそうに見せてくれた。

「ねえ、お母さん」

がパインアイスをべながら言った。

「結局さ、お母さんが最初に始めた『猛烈節約活』って、完全に裏目にたよね」

「失礼ね! あれがあったからこそ、代が15万になったに『絶対に異常だ!』って即座に気づけたんじゃないの。もし普段から適当に使ってたら、『あれ、今はちょっといな』くらいでスルーして、何ヶも盗られ続けてたかもしれないわよ」

が豪に笑いながらビールジョッキを掲げた。

「確かに! 紀の異常なまでのケチケチ作戦が、結果棒を期発見して破滅に追い込んだわけだ。の名探偵に乾杯だな!」

「名探偵だなんて、皮肉にしか聞こえないわよ」

の笑い声が、よい波の音のに溶けていった。

のような沖縄旅を終え、私たちはへと帰宅した。

自宅のつと、隣の黒杉邸は戸が固く閉ざされ、完全にの気配が消えていた。

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すでに引っ越しを終え、男はこのからっていったのだという。

私はサンダルに履き替え、側の庭へ回った。 しく引き直された配管。 正が買ってきたしいホースリールを蛇に繋ぎ、コックをひねった。

シャワー状に広がった清らかなが、夕暮れの柔らかなを浴びて、さな庭やプランターの々へとり注ぐ。 を浴びたプチトマトの葉が、青々と瑞々しく輝き、甘いりがふわりとった。

誰かの犠牲のに咲くなど、どこにもない。 の命のを奪って育てられた美しさなど、最初から何の価値もなかったのだ。

自分の力で稼ぎ、自分ので守り、自分のおに入れた杯のだからこそ、命を潤し、を本当の幸福へと導いてくれる。

「お母さん!」

玄関から、芽が顔をした。

「次の旅はどこにする? でカニべるツアーのパンフレットもらってきたんだけど!」

リビングから正鳴が聞こえる。 「勘弁してくれ! また節約活が始まるのか!?」

「当たりでしょう!」

私はホースのを止め、青く澄み渡るの空を見げて満面の笑みを浮かべた。

「ただし——今度は節約を始めるに、毎ちゃんとメーターを見ることにするわ!」

夕暮れの庭に、私たちのるい笑い声がいつまでも響き渡っていた。

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