みかん小説
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"水を盗んだ隣人の末路" 第8話

全国のや業者から預かった『額な商品』なんだ」

「じゃあ……あの500万の真柏も?」

「ああ。の持ち物だ。あいつは盆栽の管理費用としてオーナーから額の預かり料を受け取りながら、維持費である代を浮かすために、うちのを盗んで使っていたんだ」

「なんて奴……!」

私は戦慄した。 黒杉は、の財産を預かって商売をしながら、そのコストを隣であるに押し付け、自分はで豪遊しようとしていたのだ。 もし盆栽が枯れれば、黒杉はオーナーたちから数千万円規模の損害賠償を個に請求され、ブローカーとしての信用も完全に失墜する。だからこそ、あそこまで必に「盆栽に触るな」「を止めるな」と私たちを脅迫してきたのだ。

「自業自得じゃない……」

ややかに呟いた。

の盆栽を育てて、自分だけ儲けようとするなんて。そんなの、いつか絶対に破綻するに決まってるよ」

黒杉のヨーロッパ発をに控えたのリビングでは、緊迫した族会議がかれていた。

業者に依頼したの違法分岐管の完全撤事は、業者のスケジュールと掘削の申請の関係で、の「」にわれることになっていた。 問題は、事がわれるまでの、どうやってを守るかだった。

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「もう度警察にって、にあいつ自で配管をすように命令してもらえないかしら」

私の提案に、正を抱えて首を振った。

「警察にそこまでの制力はないよ。民事介入の壁もあるし、あいつが『事費用はで清算する、今はがない』と突っぱねてに乗ってしまえばそれまでだ。留守に俺たちが勝に隣の敷に入って配管を切断すれば、逆にこちらが居侵入や器物損壊で訴えられるリスクもある」

「じゃあ、事までの、またうちのが盗られ続けるのを指をくわえて見ていろっていうの!? 毎何千リットルものが……!」

方塞がりだった。 相本を留守にする。そのの配管からは流れ続け、メーターは回り続けるのだ。

その、ずっと黙っての話を聞いていた芽が、麦茶のグラスをコトンと置いていた。

「ねえ。何もしなくていいじゃん」

私と正は同に娘を見た。

「何もしないって……どういうことだ、芽?」

「だからね、お隣の敷歩も入る必もないし、配管を無理に切る必もない。盆栽に指本触れる必もないよ。ただ、うちのメーターの横にある『元栓』をキュッと閉めればいいだけじゃない」

「元栓を……?」

が目を丸くした。

「でも芽、自宅の元栓を閉めたら、俺たちだってが使えなくなるぞ。

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呂もトイレも飯も作れない」

は呆れたように肩をすくめた。

「お父さん、忘れたの? ちょうど来週から、母方のおばあちゃんののリフォームの伝いにく予定だったじゃん」

私の母は、分ほどの隣町にで暮らしている。築になる実の浴とキッチンの改修事が始まるため、私と正で週末や仕事帰りに通って、具の移や片付けを伝う約束をしていたのだ。

「おばあちゃんの、部余ってるでしょ? 事が終わるまでのくらい、でおばあちゃんのに泊まり込みで避難すればいいんだよ。私、そこからでも学に通えるし、おばあちゃんのご飯美しいから歓迎だよ」

「……!」

私と正は顔を見わせた。 盲点だった。

局のも言ってたよね」

は淡々と続けた。

「『や漏の恐れがある、自宅の止栓(元栓)を閉めておくことは、居者の正当な権利であり、管理義務の環である』って。うちの敷内で漏(盗)が起きてるんだから、元栓を閉めて留守にするのは、誰から見ても百パーセント正しい防措置だよ」

「そうだ……その通りだ」

の目にが宿った。

「俺たちは、黒杉の盆栽を枯らすために攻撃するんじゃない。自宅の敷内で起きている正な流を遮断するために、自分たちのの元栓を閉める。

それだけだ。隣の庭で何が起ころうと、それはに依しても放置した黒杉自の管理責任だ」

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