みかん小説
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"水を盗んだ隣人の末路" 第3話

「……お父さん」

を歩いていた芽が、ぴたりとを止め、懐灯の箇所に固定した。

「これ……何?」

の輪のに浮かびがったのは、だった。 しかし、その蛇には、のものではない、真しいの耐圧ブレードホースが、属バンドで固く締め付けられて接続されていた。蛇のハンドルは限界まで全にひねられている。

ホースは面をい、い茂るツツジの植え込みのに巧みに隠されるようにしてわされ、そのままと隣を隔てるメッシュフェンスの、自然にペンチで広げられた網目の隙を通って——隣の敷へと消えていた。

「……っ」

が無言でフェンスの向こうへ線を向けた。 隣の。それは京から引っ越してきたという、黒杉達也という男の敷だった。

黒杉は代半ばの男で、越してきた当初から異様な雰囲気を放っていた。町内会の清掃活には切参加せず、で顔をわせても会釈すら返さない。そしてから、彼のの広な庭には単管パイプで組まれた巨な棚が幾段も設置され、異様な数の鉢植え——盆栽が所狭しと並べられるようになっていたのだ。

フェンス越しに黒杉の庭を見ろす。 夜の、庭全体に張り巡らされた網目状の黒いチューブの先から、微細な状のが「シャーッ」

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という規則正しい微かな音をてて噴射されていた。 タイマー制御された本格な自システム。のような煙が、かりを浴びて幾にも並ぶ級そうな盆栽の葉を濡らし、面をたっぷりと潤している。

その源の根元は、違いなく、側蛇だった。

「これ……うちのだよね……?」

が震える声で言った。 正は、全にされた蛇と、隣へ伸びる緑のホースをもう度、射るような差しで見つめた。それから、奥歯をギリリと噛み締め、うようない声で吐き捨てた。

「ああ。違いない。うちのだ」

が真っになった。 族でシャワーの分に制限し、たい残り湯をバケツで汲み、油で汚れたフライパンをで拭き取っていた、私たちのあの活は体何だったのか。 私たちが滴のを惜しんで爪にを点していたその裏で、隣の庭では、、湯のように垂れ流され、の盆栽を潤し続けていたのだ。

の血が逆流するようなりと、底れない屈辱で、私の刻みに震えていた。

翌朝、午730分。 私は芽に千円札を渡し、「今は途のコンビニでパンでも買って学きなさい」と送りした。の娘を、の醜い諍いに巻き込みたくはなかった。

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「お母さん、あんまり無理しないでね。危なくなったらすぐ警察呼ぶんだよ」

配そうに振り返る芽を見送り、私と正を決して隣、黒杉邸の扉のった。 黒杉のは、このでは比較しいモダンな造りだが、敷方をいアルミフェンスと防犯カメラで囲み、を寄せ付けない異様な排性を放っていた。

がインターホンのボタンを押し込んだ。 ピンポーン、という甲子音が庭に響く。 反応はない。 正はもう度、今度はめにボタンを押した。さらに度目の呼びし音を鳴らしたところで、ようやく玄関のドアが々しくき、から男が現れた。

黒杉達也だった。 ボサボサの髪混じりの寝癖に、よれよれの級ブランドのジャージ。にはマグカップを持ち、ひどく嫌そうに目を細めて私たちを睨みつけてきた。

「……朝っぱらから何なんです? のチャイムを連打するなんて、非常識極まりないな」

番のその言葉に、私の喉元までりの炎がせりがったが、正で私を制し、努めて静なトーンでいた。

「黒杉さんですね。お話しがあって伺いました。単刀直入に言います。うちの側にある栓から、お宅の庭の散スプリンクラーへホースがつながっています。

今すぐしてください」

黒杉の表を観察した。 揺するか、青ざめるか、あるいは「何かの勘違いだ」

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