みかん小説
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"帰る場所を奪われた妻、4階で取り戻した人生" 第13話

ある朝、母が毛糸を見せて笑った。

「今度あなたのカーディガンを編んであげる」

「無理しないでよ」

「これくらいが楽しいの」

私はキッチンでコーヒーを入れた。

温かなりが部に広がる。

の3階では、朝から義母の嫌を気にしていた。

コーヒーの音。

器を置く音。

音。

何をしても文句を言われる気がして、体が縮こまっていた。

今は違う。

好きなに起きる。

好きなものをべる。

母と話す。

疲れたら休む。

当たり活が、こんなにも穏やかなものだとはらなかった。

空いた3階は、佐藤と相談し、しい使い方を考えることになった。

最終に、若い夫婦がさなカフェを始めることになった。

リフォーム事の音がから聞こえる。

義母ならきっとっただろう。

けれど私には、その音が議とよかった。

壊している音ではない。

しい所を作っている音だからだ。

オープン、若い夫婦が挨拶へ来た。

事の音、うるさくありませんか?」

丈夫ですよ」

私は笑った。

「完成するのを母と楽しみにしています」

妻の方が作りのクッキーを差しした。

域のが気軽に来られるにしたいんです」

「素敵ですね」

2が帰った、母と緒にクッキーをべた。

「おいしいわね」

「オープンしたら1番にこうか」

「そうしましょう」

窓のには、るい空が広がっていた。

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私は部の片隅に置いてあるさな属箱を々見る。

義父の鍵。

古いノート。

あの

もし義父が何も残してくれていなかったら、私はもっとく苦しんでいたかもしれない。

けれど切だったのは、類そのものではなかった。

に自分でいたこと。

自分のおを守ったこと。

母の居所を作ったこと。

そして、「もう戻らない」と決めたことだった。

あの夜。

母の入院続きを終え、疲れ切ってマンションへ戻った私に、義母は言った。

「あんたの帰る所は、もうここにはないから」

の私は、たいオートロックのに1っていた。

帰る所を奪われたとった。

けれど違った。

あの瞬、私はようやく、自分で帰る所を選ぶ自由をに入れたのだ。

今、母は窓辺で笑っている。

からはしいカフェの事音が聞こえる。

コーヒーのりが部を満たしている。

私はカップをに取り、きな窓のった。

もう誰の顔も見ない。

誰かの許を求める必もない。

ここが私のだ。

そして、ここから始まるは、もう誰にも奪わせない。

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