"帰る場所を奪われた妻、4階で取り戻した人生" 第5話
そのの午には友へ話し、
「誠が私のために級な老ホームを探してくれているの」
と得げに話していた。
しかし、夫が持ち帰っていたパンフレットを私は見ていた。
都からくれた所にある、費用を最限まで抑えた施設。
個ですらなかった。
夫は義母をくへ追いやろうとしている。
そして数、もっと気になる来事があった。
仏壇ののさな引きし。
そこには、義父が残したの入った通帳を義母が切に保管していた。
ところが、その通帳が消えていた。
「お義母さん、あの通帳は?」
何気なく尋ねると、義母は雑誌から目をげずに答えた。
「ああ、あれなら誠が続きに必だって持っていったわよ」
「何の続きです?」
「さあ。でもあんたには関係ないでしょう」
義母はで笑った。
「あれは主が私に残してくれたおなんだから」
その瞬、背筋にたいものがった。
夫はマンションだけではなく、義母の老資にまでをつけようとしている。
私はすぐには何も言わなかった。
義母に警告しても、きっと信じない。
「息子を悪く言う嫁」と責められるだけだ。
だから証拠を集めた。
その結果が今、目のにある。
。
夫が通う賃貸マンションの契約者。
そして、4階の売却同に記載された審な物の親族とつながる姓。
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夫はと協力し、しない権限を作ってまで建物全体を売却しようとしている。
「佐藤、本当にありがとうございます」
私は話で言った。
「これでの話しいの準備ができます」
話を切った直、別の着信が入った。
見らぬ番号だった。
るべきか迷ったが、私は通話ボタンを押した。
「はい」
若い女性の声がした。
「佐藤ゆみさんですか?」
「そうですが」
「私、と申します。誠さんのことで、お話があるんですけど」
その名を聞いた瞬、体のの温度が段がった気がした。
なぜが、私の番号をっているのか。
「夫が何かご迷惑をおかけしていますか?」
私がを抑えて尋ねると、はで笑った。
「迷惑? 逆ですよ」
し勝ち誇るような声だった。
「私たち、来には籍を入れる予定なんです。だからく婚届に判を押してくれませんか?」
私は黙った。
「誠さん、困ってるんですよ。あなたが慰謝料をいっぱい求して婚してくれないって」
夫はにも嘘をついていた。
「誠さんはマンションを売って、私としいを買うんです」
は続けた。
「お義母さんの施設代もそこからすから、あなたに払うおなんてないんですよ」
私はわず目を閉じた。
義母に「級施設」と言いながら、にはい施設だと話している。
そして私については「慰謝料を求する妻」
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に仕てている。
「でも今になって、誠さんが焦ってて」
の声に苛ちが混じった。
「権利とか印鑑が見当たらないって。あなた、腹いせに隠したんでしょう?」
その言葉で、私はすぐ理解した。
義母が夫の部から何かを持ちした能性がある。
「私は何も持っていません」
「嘘でしょう?」
「私をから締めして、鍵まで変えたのは誠さんです。切な物が見つからないなら、お義母さんに聞いてみたらどうですか?」
それだけ言い、私は通話を切った。
夫はあちこちで嘘をつきすぎた。
妻。
。
母親。
弁護士。
誰に対しても、自分に都のいい物語を作っている。
そして、その物語同士がしずつい違い始めていた。
その夜、私は夫から送られてきた弁護士事務所の所を検索した。
どんな物が待っているのか。
夫は何を相談しているのか。
最限っておく必がある。
検索結果に表示されたプロフィール写真を見た瞬、私は息を止めた。
加藤先。
10、くなった父の遺産相続を担当してくれた弁護士だった。
当、母は夫をくしたばかりで何もにつかず、私も続きのことが分からなかった。そんな私たちへ1つずつ丁寧に説し、最まで支えてくれただった。
夫はその頃、私の実にまるで関を示さなかった。
「面倒なことはそっちでやってくれ」
度も加藤先の事務所へ来なかった。
だから、自分が今依頼している弁護士が妻の旧の物だと気づかなかったのだろう。
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