"60代からの第二の人生" 第10話
浩司が静かに腕を組み、を見据える。
「今回、俺たちがハワイにったのは単なる仕返しじゃない。親と子は対等な同士なんだということを、をもって教えるためだ。おたちが子供を預けて旅にけるなら、俺たちも旅にく。おたちが俺たちのを使うなら、俺たちも自分のを自分のために使う。至極当然のことだろう」
直哉の目から粒の涙がポロポロと零れ落ち、テーブルを濡らした。波さんもハンカチを顔に当て、肩を震わせて泣きじゃくっている。はちがり、畳のに両をついてくをげた。
「父さん、母さん……本当に……本当に申し訳ありませんでした……!」 「お母さん、お父さん……私たちが浅はかでした……ごめんなさい……!」
私はその姿を静かに見つめた、もう枚のしい用をテーブルのに置いた。
「これからは、しいルールで付きいます。しっかり聞きなさい」
孫の預かりは、最でも週からの『事相談制』とし、こちらの都を最優先とする。
今、銭な援助は切わない。
正や盆の帰省、イベントへの参加は制しない。
互いに対する謝の言葉と敬を徹底すること。
親子ではなく、自した同士の対等な関係を構築すること。
「もしこのルールに同できないなら、私たちは今、あなたたち族との切の関わりを断ち切ります。
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孫の顔を見ることも度とありません」
波さんが涙声で必に訴えかけた。
「同します……! 全て守りますから……見捨てないでください……!」 「分かればいいの。……それから、留守に孫たちの面倒を見てくださった所の佐藤さんへのお礼とお世話代、計万円。これ、今週にあなたたちが佐藤さんへ直接お支払いしてちょうだいね」 「はい……! 番でお支払いしてきます……!」
直哉がくをげた。 私はちがり、階段へと向かった。
「じゃあ、私たちは階へがるわ。も仕事があるからもう休むの。あなたたちも、子供たちを連れて自分のへ帰りなさい」
玄関で靴を履き、の子供たちのを引いた直哉が、最に振り返って私を見た。
「母さん、父さん……ハワイ、楽しかったですか?」
私は夫と顔を見わせ、からの満面の笑みで答えた。
「ええ、とっても。で、番幸せで贅沢なお正だったわ」
カチャリと静かにドアが閉まり、夜の静寂がのを満たしていった。
桜のびらがの柔らかなにう旬。 私と浩司は、所の緑豊かな公園ををつないで散歩していた。定の嘱託勤務となり、夜勤のない規則正しい活をに入れた私の体は、驚くほど軽やかだった。
ピコンとスマートフォンの通音が鳴る。 画面をくと、直哉からのLINEメッセージだった。
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『母さん、お疲れ様です。今週末、もしご都がよろしければ、曜の夕方からほど子供たちを預かっていただけないでしょうか? 実は結婚記で、久しぶりに波とで事にきたいと考えています。もちろん、お父さんとのご予定や体調が悪ければ、慮なく断ってください。』
謙虚で丁寧な文面を見て、私はわず元を綻ばせた。
「あなた、直哉からよ。曜にし孫を見てほしいって。曜はあなたとゴルフの約束があるから、曜の夕方だけならいいわよね?」 「ああ、それくらいならんで引き受けてやろう」
私はすぐに『曜のからまでなら丈夫ですよ。楽しんできてね』と返信を送った。数秒、『本当にありがとうございます! 夕方伺います』と謝の言葉が返ってきた。
その週末、孫たちを預かって無事に送り届けた数、がにきなクール便が届いた。 には級なフルーツと、通のが添えられていた。
『お父さん、お母さんへ。 先は子供たちを預かっていただき、本当にありがとうございました。おかげで波と久しぶりにゆっくりと将来のことや族のことを話しうことができました。 あの正の来事以来、僕たちは自分たちがいかに両親の優しさに甘え、搾取していたかを痛し、く反省しています。
お父さんとお母さんも、これからは自分たちのを番に切にして、またで素敵な旅にってください。
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