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"消えた妻と青いマグカップ" 第11話

だから婚約したには、“何で今まで言わなかったの”になるとった」

は黙った。

「結婚したら、もっと言えなくなった」

「それで?」

「うん」

すぎるよ」

「分かってる」

子供ができなかったことも、

秘密をくした。

妊治療までまなかった。

か自然に任せ、

そのままきることを選んだ。

は、

子供がいないを受け入れていた。

もそうだとっていた。

だが美では、

いつも別の記憶があった。

度だけ、

母親になったこと。

「私」

が言った。

「あなたに言ったら、絶対われる気がした」

「何を」

「私には別のとの子供がいるのに、あなたとの子供はいないって」

は眉を寄せた。

「そんなこと」

言わない。

そう言いかけて、

止めた。

本当に度もわなかっただろうか。

突然らされたら、

傷ついた勢いで、

同じことを考えなかったと言い切れるだろうか。

は、

嘘をつかなかった。

ったかもしれない」

が顔をげた。

「でも、それとおを嫌いになることは別だ」

「紗季さんには会ったんだな」

「うん」

「どんなだった」

は、

しだけ笑った。

「普通のだった」

「普通?」

「うん。普通の歳の女性」

も、

し笑った。

「そりゃそうだろ」

は、

バッグから超音波写真をした。

「赤ちゃんがいる」

「聞いた」

「女の子かどうかはまだ分からないって」

は写真を見た。

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さな黒の

何が写っているのか、

ほとんど分からない。

「これ、もらったのか」

「うん」

「そうか」

は、

写真をしまった。

は、

娘に会ったこと自体にはらなかった。

藤田を頼ったこと。

へ戻らなかったこと。

警察までいたこと。

そこには、

まだっていた。

「誠司にも言ったけど」

は言った。

「秘密を守るのと、きてるかどうかまで俺に分からなくするのは別だ」

「うん」

「おも同じ」

「うん」

になりたいなら、になりたいって言え」

は苦笑した。

「言えるかな」

「練習しろ」

「何それ」

「俺だって練習する」

「何を?」

「聞くのを」

は、

議そうな顔をした。

「何でも話せてるつもりだったから」

は言った。

「俺も悪かった」

「健さんは悪くない」

「そういう話じゃない」

は首を振った。

「何でも話せる夫婦だって、自分で勝に決めてた」

帰り際。

が聞いた。

「松本に帰ってもいい?」

は、

し腹がった。

「だから」

「何?」

「それを俺に許取るなよ」

は目を瞬いた。

は言った。

「帰りたいなら帰れ」

ってるのに?」

ってる」

「じゃあ」

ってることと、帰ってくるなは別だ」

は、

しばらく健を見ていた。

それから、

さく頷いた。

「帰る」

そのの夕方。

は別々ので、

松本へ戻った。

へ戻ったからといって、

すべてが元通りになったわけではなかった。

むしろ、

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そこからの方がかった。

は、

京へ戻った。

赴任は続いた。

話も再した。

ただ、

とはし違った。

「今は何してた」

だけではなく、

々聞いた。

「何か話してないことある?」

は、

「急に怖い聞き方しないで」

と笑った。

も、

「じゃあ聞き方考える」

と言った。

最初の数週

は何度も同じことで揉めた。

「どうして結婚に言わなかった」

「だから言えなかったって」

「それは分かった。でも納得は別」

「じゃあいつまでるの?」

「分からない」

そんな会話をした。

も、

から黙らなくなった。

「私だって、あなたが京で何考えてるか全部ってるわけじゃない」

「俺は娘を隠してない」

「そういう比べ方しないで」

言いいになった。

話を切ったもあった。

それでも、

にはどちらかがかけた。

藤田誠司は、

しばらくへ来なかった。

も、

自分から連絡しなかった。

の付きいだった。

だからこそ、

簡単に元通りにはできなかった。

ほどして、

藤田からメールが届いた。

【こののこと、本当にすみませんでした】

は、

そののうちには返さなかった。

【美の秘密を言わなかったことは責めない】

そこまでいた。

しばらく考え、

もう

【でも、俺に何も言わず連れてったことはまだってる】

藤田からは、

【はい】

とだけ返ってきた。

それで分だった。

が来る頃。

湯器が故障した。

から話が来た。

「どうする?」

「業者呼べ」

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